最恐護衛 (ページ6)

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いつからいた？どこから聞いてた？
聞かれたところで普段から騒いでることだからいいんだけど、……顔怖すぎでしょ

『おい、お前これからぬなんとこ行くんじゃねえのかよ』

その言葉で携帯で時間を確認する。

「あ、もうこんな時間」

『早くしろよな』

そう言ってわたしを無理やり引っ張っていくじょんぐく。てひょんとじみんの２人が口パクで”どんまい”って言ってるのが見えて

”助けてよ、ばか！！”

同じように口パクでそう返すと、２人が手を振ってその場を去っていく。

酷い。薄情だ。あの二人がきっと裏切者だ(やめろ)。

勝手に心の中でそう決めつけていると、わたしをじょんぐくが『自分で歩け』と言っていきなり手を離す。
その反動で地面に膝をついてしまい、砂利道のせいで怪我をしたのか軽い痛みが走った。

「いったぁ…」

すたすたと歩くじょんぐくが振り返り、膝の具合を確認するわたしと同じ目線になるようにしゃがみ込む。

『……見せろ』

…いや、あんたのせいで怪我したんだからまずは謝ってよ。

そう思いながらも膝に置いていた手をどける。

じょんぐくはポケットからハンカチを出すと、素手で二つに破ってからわたしの足にそれぞれ巻きつけた。

「..馬鹿力、」
いつも冷たくて馬鹿にしてくるくせに、どうしてこういう手つきだけは優しいのかな。
調子が狂うんだけど。

わたしの言葉に反応しないで無視するじょんぐく。
体が浮いたかと思えば、じょんぐくにお姫様抱っこされていて。
何が起きたのかわからなくてあたふたしていると『落ち着けよ』といつもより近くなった距離で言われた。

じょんぐくのせいでわたし、怪我したんだよ？謝ってくれないの？
こうして優しく手当してくれて似合わないお姫様抱っこなんてすれば、許されると思ったの？
…狡いやつ。

そんな行動に簡単にどきどきしてしまうわたしは単純すぎるのだろうか。

じょんぐくは…ムカつく相手なのに、ふとしたときにどきどきさせてくることがある。
女として全く意識されてないのを知ってるから、わたしが勝手にどきどきしてるだけなんだろうけど。
それがまた屈辱的だし、こんな嫌なやつに感情を振り回されてる自分が情けなくなる。

じょんぐくといると、感情が色んな方向に暴れるから疲れる。
わたしばっかり振り回されて、疲れる。

だから他の人がよかったのに。
とりあえず……まじで本当にお父さん恨むから。