最恐護衛 (ページ43)

今日:31 hit、昨日:65 hit、合計:116,899 hit

. ページ43

ここが広くてよかった。
いくらじょんぐくを意識してないとはいえ、流石に目の前で着替えとか無理すぎ。
だいたいあの人、普通にわたしが着替えてるとき入ってくるよね！？普段から！！
ほんと、信じられないわ…。

ていうかわたしやばいよね！？上半身裸のじょんぐくを、自ら触りだすなんて。
いつから自分は痴女になったのだろうかと呆れてしまう。

でも…たった半日言い合いをしなかっただけなのに、なんかすごく……久しぶりなことに感じた。
それくらいわたしとじょんぐくは言い合ってるってことなんだろうけど。

憎まれ口を叩き合うの、いつもうわー！むかつく！としか思ってなかったけど、こんな状況だといつもの調子がほっとするもんなんだな。
絶望的な状況の中に、日常があるのがありがたいなんて。しかもいい日課ではないし。

なんだかんだ憎いやつがいちばんの味方だし。
まじ、世の中って意味わかんないわ。

ささっと着替えてじょんぐくの方に行くと、もうすでにベッドで横になっていて。
おそるおそる顔を覗くと完全に寝ているのがわかった。

……こうしてるとただの綺麗な顔の男の人なのになあ。
黙って目を閉じている姿は、幼い子どものようにも見えるし。
起きるといつも眉間にしわ寄せてるけど。

疲れてすっかり起きる気配のないじょんぐく。
眠たいけどこんな寝顔見る機会なんてないから、としばらく眺める。

そろそろわたしも寝ようかな、と隣のベッドに移動しようとしたとき

『………A、』

と寝言で名前を呼ばれたのが聞こえてきて瞬間的に振り返った。