最恐護衛 (ページ42)

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部屋の豪華さに一人はしゃぐ。
じょんぐくはというと、部屋に入るなり服を脱ぎ始めていた。

「……ねえ、なにしてんの！？」

普通にパンツ一丁になろうとするから、慌てて止める。

いや、一応わたし、年頃の女の子なんですよ。
たとえじょんぐくが一切わたしに興味なくてもさ、もう少し気を使うとかいろいろあるじゃん！

『…なにって、濡れたままの服だと気持ち悪いだろ。ここにバスローブあるし、お前も着替えれば』

そう言ってわたしにそばにあったバスローブを投げ渡す。

え、ここで着替えろと？あなたの目の前で？

『なに。意識してんの？』

「は！！！！してないし！！！！」

揶揄ってくるじょんぐくに、むきになったように返すと、その反応がおもしろいといわんばかりにニヤつかれる。
だけどよく見れば、体に傷があるのがたくさん見えて。

「……じょんぐく、」

近寄って彼の傷跡を手でたどった。

痛々しい跡。今日の分もあるのだろう。古傷と交えてどれがいつのものなのかわからないけど、それでも新しいものくらいはわたしにもわかる。
やけどの跡も、殴られた後も、わたしを守っていたせいで怪我したのかな、なんて思ってしまう。

『……なに』

「……これ、全部痛いよね……ごめんね、わたし、」

『…お前のせいじゃないから』

そう言って隠すようにバスローブを纏う。

「でも、こんなに怪我してるのに……あ、せめて手当だけでも、！」

近くにあったティッシュで、血のにじむ場所を拭こうと手を伸ばす。
だけどその手はじょんぐくによって遮られた。そして低い声で『いいから』と断られる。

『…お前は黙って俺に守られてればいいんだよ』

泣きそうにほほ笑んでそう言われれば、もう何も言えなくて。
じょんぐくがなんでそんな顔するのか全然わからなくて、なにを考えているのかもいつもよりもっとわからなくなった。

沈黙の中、掴まれた手をどうすればいいのかわからないでそのままにしていると『…急に触りだすから欲求不満かと思ったわ』とさっきの表情は見間違えだったのかなって思うくらいいつもの調子で揶揄われる。

そこでやっと自分か大胆な行動をしたのに気が付いて、急に恥ずかさがこみ上げてきた。

「ち、ちがうし！！！…あっちで着替えてくる！！！！！」

そう言ってじょんぐくを振り払ってから、急いで奥の部屋に投げ渡されたバスローブを持って入った。