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〈お前とじょんぐく、似た者同士だからお似合いだよ〉
まだ頭に怒りマークが見えるじみん。
「いや、全然似てないから。一緒にしないで」
それ、よく色んな人に言われるけどまじで屈辱。嫌いな奴と似てるとかまじ勘弁だから。
【でもな〜俺もできるならお嬢の護衛したかったな】
そう言って両腕を空に伸ばすてひょん。
〈まあ、立候補で決めるってなったら手上げてもいいかもね〉
「素直にやりたいって言えばいいのに。可愛くなーい」
〈お前よりは可愛いわ〉
じみんが可愛い?何言ってんの?
うわ言に突っ込むのも面倒で、無視して話を戻す。
「ほんっと、せめて他の人が良かったなあ。2人じゃなくても、ほそくさんとか」
【あーひょんは無理。まじで忙しいから】
【人殺すのに】と穏やかな顔して付け加えるてひょん。たしかにほそくさんは屋敷にいるのあんまり見たことないから忙しいんだろうけど…その情報いらなかったな。
「ほそくさん、昔はいっぱい遊んでくれたのになー」
じんくんは若頭だから普通に考えて無理だし、ゆんぎはじんくんの右腕ってやつだから無理でしょ?なむじゅんはわたしの護衛以前に組員の教育があるしー…やっぱりそうなるとじょんぐくなのか。いやでも、目の前の二人はあきらかに暇だろ、おい。
【ねえ、全部声に出てるから】
「え、あ、まじ?」
【俺たち、昼間は屋敷にいるだけなのにね?】
そういってじみんのほうを向くてひょん。じみんが頷いてから〈そういうこと。つまり、やっぱじょんぐくだけが暇なんだよ〉と言った。その時だった。
てひょんが【あ…、】と少し焦った声を出して斜め上を見つめる。
下を向いていたじみんも顔をあげると〈やべ〉なんて言っていて。
2人の視線のほうにわたしも振り返ると
『暇で悪かったな』
鬼のような形相をしたじょんぐくがわたしたち三人を見下ろしていた。
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作者名:空 | 作成日時:2023年12月14日 14時