最恐護衛 (ページ40)

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遅れて2人で中に入ると、すでに受付を行っている三人の姿があった。

本当に追っては来ていないみたいで、ロビーには一般の人たちが溢れかえっている。
といっても、お金を持ってるような人たちばかりだけど。

「…こんな高いところ泊まる必要ある？」

手続きを自分でする気がないのか、壁にもたれかかっているてひょんに話しかけた。

【あーいいんじゃない？ひょん、お金いっぱい持ってるし】

「……どのくらいこうして隠れるような生活するのかわからないのに？」

隠れるってのはちょっと違うかもしれないけど。
行くところがないからホテルにいるのはいいんだけど…もしも長期間この事態が片付かなかったらお金が無くなるだけじゃないだろうか。

【あのひょん、一生ここに住めるくらいのお金持ってるから大丈夫だよ】

突然とんでもないことを言い出したてひょん。

「…は？」

衝撃の発言に、呆れた声がでる。

【なむじゅにひょん、なんかでお金いっぱい稼いでるらしいんだよね】

うん、なんにも分かんないその説明。

てひょんの説明に理解を追いつけないでいると、なむじゅんの隣で受付を手伝っていたじみんがやってきて、てひょんの言葉足らずな説明を補足してくれた。

〈ひょん、副業みたいなことやってるんだよ。これ知ってる人、俺とてひょんしかいないけど〉

【俺たち、なむじゅにひょんの通帳こっそり覗いたことあってさ。そのときにあまりにも莫大な金額が書いてあったもんだから問い詰めたんだよね】

あー……いたずら好きな2人ならやりそう。

いひひと笑うてひょんに、そんなことを思っていると、じょんぐくが小さな声でわたしだけに『これで…ここが誰にも見つからなかったら三人は白ってことだな』と言った。

………そうだ。
裏を返せばこんな高級なホテルに泊まれるって分かるのはてひょんとじみん、それから本人のなむじゅんしかいない。
やくざがどのくらいお金持ってるかはよくわからないけど、こんなに高いホテルを何泊もできはしないだろう。

三人が裏切り者じゃないと断言できるのは、少なくともここで何事もなければ、の話だけど。