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『それで、相手はどこのどいつだったんですか』
黙って話を聞いていたじょんぐくが尋ねる。
〔それが、全く誰かわからないんだ。見たこともない顔だった。スーツを着ているあたり、雇われた人たちだと俺は思ってる。……幹部の中の誰かが雇った、手練れの集団ってとこだろうな。それも相当の規模の〕
なむじゅんもじみんも、先ほどからすでに幹部の中に裏切り者がいるとわかっている様子。
まあ、あの倉庫、幹部しか知らないって言ってたもんね。
でも、それにしてもすぐに分かるなんて意外とみんな頭が切れるんだね。
なむじゅん以外馬鹿だとおもってた。ごめん。
〔俺とじみん、ソヌとロイがそれぞれ一緒に逃げた。タイミングを見計らって逃げろとだけ言ったから、いつ逃げたかわからないけどな。連絡を取ろうにも、全員の携帯が行方不明で〕
「……行方不明?」
〔ああ。俺は幹部たちの集まる部屋に置いておいていて、じみんは戦っている最中に失くしたらしい。たぶん、相手が盗ったんだろうな。気が付かないうちになくなってたよ。…こうしてお前らにだけでも会えたからよかったけど、組長たちの居場所がわからないのはちょっと痛いな〕
そう言ってため息をつくなむじゅん。
「………裏切り者が、その、スーツの集団を雇って、全員の携帯も盗って、わたしたちを殺そうとしてるってこと?」
聞いた話を簡潔にまとめていう。
ただ聞いたことを言葉にしただけだから馬鹿丸出しなのが少し恥ずかしい。
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作者名:空 | 作成日時:2023年12月14日 14時