最恐護衛 (ページ36)

今日:58 hit、昨日:65 hit、合計:116,926 hit

. ページ36

2人で倒してくれたんだね。…気絶してる。
このまま放置して行ったら、この人たち燃えちゃうかな。でも、生かしておいたらまた追ってくるし…。

残酷な選択だけど、生きるためには仕方がないよね......。

迷いなく車を走らせるじみん。
わたしたちの行きそうなところは全て始末されているっぽいから、行くとこなんてないんだけど…。

「どこに向かってるの？」

そう尋ねると、じみんが〈ホテル〉と答える。

〈そういう普通の堅気のやつらがいるような場所、わざわざ追ってこねえだろ。襲うにはリスクが高すぎる。それに、万が一追ってきたとしてもそれはそれでこの中に裏切り者がいるって分かるから〉

口調が荒いのと声の低さに、この事態に苛立っていることがわかる。

しつこい追手が相当鬱陶しかったのだろう。

わたしたちが揶揄った時とは違う、本物の口調の悪さと声の低さ。
こういうときはそっとしておかないと、こっちまで被害がくるって前にてひょんから聞いた。
……にも関わらず抱きついてしまったのだけど。

「そっか…」

それだけ言うと今度はてひょんが【にしても、ひょんたち今までなにしてたんですか？】となむじゅんに向かって聞いた。

てひょんから尋ねられたなむじゅんが、順を追って説明し始める。

〔俺とじみんとソヌとロイが迎え撃ったのは知ってるだろ？あの後、お前らを追っていた相手と同じようなスーツを来た連中がざっと100人くらい乗り込んできて。屋敷を完全に包囲されたんだ。それで俺たちを先頭に迎え撃ってたんだけど、下っ端たちがどんどんやられていって、数も相手がずっと多いから手こずってたんだよ。で、組長もじんひょんも逃がしたし、時間もだいぶ稼いだから隙を見て逃げることにしたんだ。屋敷を捨てて〕

【なんで逃げたんですか！？負けるわけじゃなかったでしょ！】

逃げたという言葉に強く反応したてひょん。てひょんの性格からして、まさか幹部四人も残っていて尻尾を巻くようなことをするなんて有り得ないと思っているのだろう。

〔いや……相手はかなりの手練れている集団だった。勝てたとしても無駄な血が流れることは確かだった。この先もしもまだ相手が追ってくるなら俺たちは戦い続けなければならない。それなのに怪我をしていたら意味がないだろう〕

戦闘力が削がれていくだけの戦いに、逃げることはある意味1つの戦い方でもあるのだろう。