最恐護衛 (ページ28)

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体感15分。
それくらい早く感じるほどあまり寝ていない気がした。

起きたのは窓から差し込む日差しでも、いつもと違うベッドだからでも、環境による寝づらさでも、じょんぐくに抱きしめられているからでもなく。
燃えたような煙の臭いと、灼熱のような熱さによるものだった。

「んー…あつい、」

毛布をはいでからもう一度許される限り眠りにつこうと動いた瞬間、異変に気が付く。

「え、待って待って」

焦げた匂いが鼻について、とっさに夢うつつだった頭が覚醒する。

「じょんぐく！てひょん！起きて！」

小部屋の窓から見える真っ赤な炎。

「火事だよ！！！！！！」

この倉庫全体が燃えていた。

叫び起こすと、2人が一瞬で立ち上がる。

『まじかよ…』

いつも何分も掛けてようやく目を覚ます二人が、わたしと同じように覚醒した。

【……やられたね】

子窓越しに様子をみるてひょんが、眉間にしわを寄せてそう呟く。

【こっちからはでれそうにない。開けたら一気にこの部屋に炎が移る】

そう言って周りを確認するようにきょろきょろと首を回すてひょん。
じょんぐくが小部屋の中の人が一人なんとか通れそうな鉄格子の窓に手を掛けると『ここしかねえな』といって思いっきり蹴り飛ばした。