最恐護衛 (ページ25)

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「…てひょんはなんでここにいるの？」

お父さんたちのほうを追ったはずなのに、てひょんはなぜここにいるのだろうか。
どこに行ったか分からないけど、居場所を知ってて、追うはずじゃないの？

【ほそぎひょんたちの車をそれぞれ追ってたんだけど、俺たちが逃げてるって知らないはずの敵が着けてきてるのが見えてさ。やつら俺だけを追ってきたんだ。しかも何台も車着けて。…本当鬱陶しかった】

その時のことを思い出してイラつくてひょん。
軽く言ってるけど顔がマジだから相当切れてる。

【車壊されたし。携帯も壊れちゃった。流石に肉体勝負じゃないし、追ってくる車の数に身一つじゃ勝てなくて逃げ出したんだよ。屋敷に戻るにはまだ戦ってる真っ最中だから近づかない方がいいだろうし。俺も外から1人で無謀な戦いに乗り出すほど馬鹿じゃないから。で、何もないしひょんたちが行った場所も分かんないからとりあえずここにきたってわけ】

『……俺たちが帰った20時頃には全部終わってたみてえだけど。話聞く限り殺されたのは組員じゃねえな』

てひょんとじょんぐくがそれぞれの状況を話し合っていく。
全て話し終えた後、今回の出来事の仮説がたっていった。

つまり。
話をまとめるとこうだ。

わたしじょんぐくが出て行ったあと、ほそくさんがどこからか敵が来るという情報を入手し、お父さんとじんくんを避難させた。
そして幹部たちは後を追う方と敵襲を迎え撃つ方で別れた。
後を追った方は途中で敵に囲まれ、何故かてひょんだけが狙われた。
ほかの二人はきっとほそくさんたちに追いついている。
迎え撃っていたほうはどうなったのか分からないけど、わたしたちが帰ったときには全てが終わっていたということ。
じょんぐくが見た光景は、残っていた組員ではなく、残っていた仲間を殺したもの。
屋敷にはあの時すでに誰の気配もなかった。
銃声の正体は屋敷にいた全員を殺せず逃がした罰だろう。
もしもじみんたちが勝ったのなら銃声は聞こえず、わたしたちも屋敷に帰れたはずだし。