最恐護衛 (ページ23)

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タクシーを降りてじょんぐくについていく形で数分歩いていると、潮の匂いが鼻をかすめた。
進んでいくうちに、漁船が沢山見えて、その隣にいくつかコンテナが建っている。
そしてそのコンテナの奥に、倉庫らしきものが建っていて、シャッターは閉まっていた。

「…入れないよ」

諦めた声を出すわたしとは反対に力づくで上に上げ始めるじょんぐく。

「いや、流石に無理でしょ…」

壊れてるわけでもないんだし。

そう思った一瞬の隙にシャッターは人が通れるくらいの高さにあげられていて。
思わず目を疑うほどだった。

「ゴリラじゃん」

ここまでくると尊敬するな..。じょんぐくの馬鹿力。

自分が先に入った後、立ち尽くすわたしに『早く入れ』と手招きをするじょんぐく。
わたしが急いでくぐると、じょんぐくは自分であげたシャッターを元に戻して倉庫の端からライトを持ってきて明かりをつけた。
そして、わたしの手を取るとここをよく知っているような足取りで進んでいく。

２階に繋がるはしごを上ると、奥に小部屋らしき部屋があるのが見えて。
閉まっていたから誰もいないはずなのに明かりがついていて怖くなる。

「ねえ、誰かいるよ…」

空いている方の手でじょんぐくの服の袖を引っ張ってそう訴える。

『知ってる』

そのまま躊躇することなくじょんぐくが小部屋の扉を開けた瞬間、

【あ、よかった！！！！無事だった！！】

中にいたのはてひょんだったようで、わたしに勢いよく抱きついてきた。

「え、なんで……」

シャッター閉まってたじゃん。
なんでいんの。

感情のまま抱きしめられた力が強すぎて、その瞬間に全てを察する。

ああ……てひょんもゴリラなんだね。
見た目は華奢そうなのに…。

そういえばてひょんとじみんがここをよく使ってるんだもんね。
同じように開けてはいるしかないよね。
ってことはじみんもゴリラなんだね。そうだよね、幹部だもんね。みんなゴリラか……。