最恐護衛 (ページ22)

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「……ごめん」

沢山の意味を含めて呟くように謝る。

『いざというときはお前が俺を捨てろ。わかったな』

そういった後、もう一度目を閉じたじょんぐく。

これ以上は話を続ける気がないってことだろう。
有無を言わさない態度に、声をかけられなかった。

…でも、いくらじょんぐくが嫌いでも、うざくても…じょんぐくを捨ててわたしだけが生き延びるなんてできないよ。
腐ってもあんたは家族みたいなものだし、憎まれ口を叩きあう相手がいなくなったらいなくなったで寂しいと思う。
そう思うのはたぶん、わたしはじょんぐくと過ごす時間が自分が思っているよりも嫌いじゃないから。

誰かに狙われて、危険な目にあって初めて、護衛という存在がいかに重いものかを痛感する。

護衛というのは自分を犠牲にしてまで主を守らなければならないのだと。
そしてわたしは、誰かの命を削ってまでして、守られる存在にあるのだと。

わたしはやくざの家に生まれただけの、なんの変哲もない一般人なのに。
ただの１８歳の、特別なことなんてなにもない高校生なのに。