最恐護衛 (ページ20)

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「でも……騒がしくなかったのにどうして敵襲に気が付いたんだろう、普通…逃げるにしても騒ぎが起きてから逃げるよね？」

落ち着いた頭で冷静に考える。

たった一発だけど、銃声が聞こえたら何事？ってなるはず。
その前に逃げきってるってなると、なんで気が付いたの？

「もしかして、…………もう全部終わった後だったとか、」

『そういうの考えんな。ていうかお前も組員がそう簡単に死なないやつらだって知ってんだろ。信じてやれよ』

「……だよね」

じょんぐくの言う通り、最悪な想像ばかり考えるんじゃなくて、信じなくちゃ。
わたしは、みんなが強いって知ってる。だから、信じて彼らを探し出さなくちゃいけない。

『一旦俺らも休まねえと。こんな路地で一晩とか無理すぎ』

そう言って繁華街の通りに追手が本当にいないかどうかをを確認するじょんぐく。

「……どこ行くの」

っていうかどこに行って、なにをすればいいの。
これから先の行動、どうしていいか全然わかんないよ。
探し出さなくちゃいけないってわかってても、どこにいるのか全く見当もつかないし。

「お姉ちゃんちは行けないよね…」

食事会の時はお世話になってるけど、今はだめだ。
今行って、もしもわたしたちを追っている人たちが乗り込んできたら、巻き込むことになる。
わたしがお姉ちゃんの家に通っている時点でやくざの世界と関わっていることに変わりはないのだけど、それはあくまでもただの女子高生の妹が遊びに来てるって体であって。今の状況とは訳が違う。

『……よくじみんとてひょんが仕事の合間に仮眠してる倉庫がある。たぶんそこに2人もいると思うから、』

そう言ってじょんぐくが携帯をとりだす。

てひょんかじみんのどちらかに電話をかけているのだろうけど、相変わらず繋がらないのか舌打ちをした。

『とりあえずそこ行くぞ』

一旦は振り切った追手がまだそばにいるかもしれない、と警戒しながら、タクシーを捕まえる。
無事に乗った後、じょんぐくが運転手のおじさんに道を告げた。