最恐護衛 (ページ2)

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他のみんなは友達みたいに仲良くしてくれるのにこいつだけは見下して遊んでくるし、わたしをペットと同じような扱いをしてくるし。
そんなやつが護衛になったら四六時中一緒に過ごさないといけないんでしょ？無理。耐えられない。

小さい子のように駄々をこねながらじょんぐくに言い返していると、お父さんが「やっぱり仲いいじゃないか」とわたしとじょんぐくを交互に見ながら言う。

お父さんがじょんぐくにわたしの護衛を任せたのは、彼に絶対的な信頼を置いているからだろう。
小さいころに親を亡くして、うちの組に拾われたじょんぐくにはお父さんに対して返しきれない恩がある。
誰よりも忠誠を尽くしている上に、組内での実力は上位。
護衛を務めるにはもってこいの人材なんだと思う。

だけど、お父さんはじょんぐくのわたしに対しての扱いを知らないから任せられるんだ。

これじゃあわたし、毎日いじめにあうようなもんだよ。
お父さん、ものすっごくじょんぐくのこと信頼してるからわたしがどんな文句言っても「仲いいな」で済ますし。
あんたの娘、わたしなんですけど！？

わたしの訴えも虚しく「じゃあそういうことだから。頼んだぞ、じょんぐく」と言って屋敷の奥へと行ってしまうお父さん。

２人きりになった瞬間、さっきとは百八十度態度を変えたじょんぐくが『手間かけさせんなよ』と冷たい瞳でわたしを見る。

「うっざ」

そんなじょんぐくに怯みもせず、一言吐いてから隣を通る。

この先の生活、憂鬱で仕方がない。

正直、護衛を付けられると色々と制限もされるし自由も奪われるから窮屈になる。
だからそもそもつけてほしくないっていうのが本音だった。
送り迎えだけしてしてもらえればそれで十分だった。
それでも駄目だっていうのならせめて他の人が良かった。てひょんとかじみんとか、あの辺。

だから、ただでさえ嫌なのに。….じょんぐくなんてもうほんと、気が狂いそうだ。

素通りしたのにちゃんと護衛をするためか、後ろをついてくるじょんぐく。

「屋敷の中ではついてこなくていいから！！」

振り返って叫ぶと、じょんぐくは『ばーか。俺もこっちに用があんだよ』と鼻で笑っていて。
その１つの行動でさえもわたしをイラつかせるのには十分だった。