【SPY×FAMILY】ちちのこころ、うるさい

8話 ページ10

「お〜し、これで全部片付いたな」




『今回も掃除大変そう………あぁ！！』




「！？っなんだ？急に大声出して…ビックリしちゃったじゃねぇか」




東西の関係に亀裂を与える輩を1人残らず消し、手にべっとり付いた返り血を洗い流しているととんでもない事に気づいた

私はこの仕事をする時…ていうかこれが唯一持ってるドレスなんだけど、




『破けちゃった……』



「おーおー、もっとやらしい格好になったな」




軽口を叩く叔父に溜息をつき大きく裂けたドレスを鏡越しに見る



『これじゃお腹ばっちり見えちゃうよ…明日仕立て屋さんに持っていかなきゃ…』



パーティーまで違う服着ればよかった…こんなに破けるとは…直し急ぎでお願いしないと




「おーし、最後のひと仕事といくか」




『私掃除は専門外なんだけど…』




「血痕ひとつ残すなよ〜？」




『分かってるよ〜…』




愛用している峨嵋刺(がびし)に付いた血を綺麗に拭き取り太腿のホルダーに直した

すると左からじーっと目線が送られていることに気づく




『何？』



「いや…相変わらず一瞬だなと思って」




ソレで、と今なおした私の暗器を見た叔父

私の使っている峨嵋刺は東洋の暗器で、コッチで使われることはほとんど無いもんだから、敵さんはいつもこれに戸惑ってくれる
急所を突きやすいから気に入っているんだ




『毎日ピカピカにしてるからね。』




包丁研ぐのと一緒だよ、と大量に倒れている人達を見下ろしながら呟いた

さぁ、お片付けの時間だ

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