花になりたい彼女 (ページ39)

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番外編ページ39

んー…なんか今日は朝からぼーっとする…

いや、いつもぼーっとしてるんだけど今日のは完全に…風邪かも

頭痛いし、しんどいし…

でも皆必死に携帯作りしてるから言えないし言わない方がいいよね

フラフラとした足取りでラボに荷物を運ぶ

確かラボの中には千空とクロムが居たはず

「ん？おうA！持ってきてくれたのか！」

クロムの声で千空も振り返ってこちらをみる

…あ、もう結構ヤバい、かも

目の前の2人がグラグラと歪んで頭がズキズキと痛む

息も上がってきたな、

「…？おいA、」

もう、無理限界

私の意識はそこで途絶えた

目を瞑る直前、視界の隅で千空の焦った顔が見えた気がした

『ん…』

「起きたか」

『千空…？』

「ったく、運んでたのが薬品じゃなかったのが不幸中の幸いだな」

目を開けるとそこには私の額に手を乗せている千空の姿が

あれ、携帯作りは…

「今は休憩中だから余計なこと考えんじゃねぇぞ」

『千空に隠し事は無理だねー…』

「たりめぇだ」

何年お前の彼氏してると思ってんだと平気な顔して言う千空はほんとに恥じらいというものがないのかな

でもそういえば凄く長いこと一緒にいるな…

今年で10年くらい…？
…自分で言うのもなんだけどごいすー…

「んじゃあなんかあったら呼べ」

千空が腰を上げ戻ろうとする

『…ぁ』

寂しい

千空の手が離れた途端その感情が押し寄せてくる

やだ

気づけば千空の服の裾を握っていた

『行っちゃやだ…』

「…」

こんなこと言われたら千空が困ることくらい分かってる

けど今離したらどこか遠くへ行っちゃう気がしてとてつもなく怖い

やだなぁ…こんなんじゃ嫌われるぞ私

それは嫌だけど行って欲しくなくてなんかもう自分の感情がよく分かんなくてじわりと視界が歪む

「…どこにも行かねぇから泣くな」

『ん…』

千空はまた私の傍に座って頭を撫でてくれた

それに酷く安心して急に眠気が襲う

「…とっとと良くなって手伝いやがれ」

その言葉を最後に私の意識は完全に途絶えた

「千空ちゃ～んAちゃんの具合ど……何してんの？」

「今こいつの可愛さに浸ってるから邪魔すんじゃねぇ」

「…」

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