花になりたい彼女 (ページ26)

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24輪ページ26

『ん？砂糖はどうするの？』

「砂糖っつぅか糖なら山ほどある筈だ」

『？』

なんでも村にあるお酒やみりんが昨日散々燃やされたことで糖の結晶が出来てるんだとか

お酒って煮詰めると糖になるんだ…

そしてついにわたあめを作り始めた

「おおお！何だこのフワッフワの物体は…！？」

『すっっっごく美味しいんだよ！』

「楽しみなんだよ～！」

私たち女子が和んでる中、金狼と銀狼は必死にわたあめを作ってくれている

後でお礼言わなきゃ

「ほらよ」

『ありがとう』

コハク達に配り終わったあと、私に渡してくれる千空

小さい時思い出すな～…懐かしい

確か私と千空と白夜さんで夏祭りに行った時

わたあめ食べたくてチラチラ屋台見てたら買ってくれたんだよね

白夜の金だから気にすんなって言ってたけどその白夜さんに後で聞いたら、千空が自分のお金で買ってたってニヤニヤ顔で教えてくれて。

凄く愛おしくなって抱きついたのをよく覚えている

思い出に浸っていると次々と蕩けそうな声が聞こえてきた

顔を上げると石神村の皆は目をキラキラさせながらわたあめを頬張っている

そりゃあそうだよね。まともなお菓子なんて今まで無かっただろうし

私も目の前のフワフワとしたわたあめを口にする

『美味しいいい…』

「ククク、そりゃあ良かった」

『千空は食べないの？』

そう、作った本人(って言っても金狼銀狼が頑張ったんだけど)がわたあめを手にしていない

そういえば甘いのそんなに食べない人だっけ

「あー…これで充分だわ」

『？これって……んむ』

いきなりドアップで映る整った顔

え

「ん、ごちそーさん」

色気のある笑みを向けてきた千空

え、今キスされ…

唇を中心にどんどん顔が赤くなっていってるのが自分でも分かった

よくそんな恥ずかしいこと平気で…っ

「あっま…」

唇をひと舐めし、呟く千空を本当に同い年か疑った

高校生の色気じゃない…絶対年齢詐称してるでしょ

赤くなった顔を誤魔化したくて必要以上にわたあめを口にする

幸い皆わたあめに夢中でこっちには気づいてなかった

1人を除いて

「千空ちゃん大胆～♪」