花になりたい彼女 (ページ21)

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19輪ページ21

「斬られた…！氷月の槍まで…くっそ駄目だ逃げろ！！！」

「これぐらいでいいですかね…本当にちゃんとしてますね科学王国の君たちは……この戦闘そのものが陽動なことに気づいていればもっとちゃんとしていましたが」

え？

すると背後から何かが燃える音がした

周囲も赤く染まっている

あれ…あそこって住居だったはず…

『…人の命を軽んじる人達が新しい文明をつくるなんてホント笑わせる』

とりかく今は避難と安全確認が最優先、

子供たちを科学倉庫へ匿う

けれどほむらって子が私たちの行方を阻むように炎を付けた

可愛らしいピンク色の瞳と目が合う

「ｯ！(殺気…)」

何も言うことなく村の人達と水を汲みに行った

火を皆で必死に消していると何か違和感を感じた

『…スイカは？』

「ぁ、とと止めたんだよ！けど温泉地帯の山の方行くって…」

「………」

『千空？』

「ち～とな、嫌な予感がしないでもねぇ…」

『え？』

何かを引っつかむとコハクと一緒にどこかへ向かっていった千空

なんで嫌な予感がするのかとか考えても私は分からないから取り敢えず火を消すことに専念する

こんな状況で子供たちが泣かずにせっせと水で火を消している姿を見て、私が思ってる以上にこの村の人達は強いんだなと改めて思った

「建物などまた造れば良い！1人の犠牲者も出さずに輩を撃退した我々石神村の完全勝利だ！！」

確かに、犠牲者が出てなかった

それだけで充分かも

笑顔で国王に喝采を送っている子供たちが微笑ましくなった

「つっても今度は司ちゃん直々に大軍で来るよ。どうすんの…」

あ、ゲンさんいつの間に隣に

この人には2度も助けられちゃったな…

服をクイクイ引っ張っるとこっちを見てくれたゲンさん

「なぁに？Aちゃん」

微笑みながら首を傾げるゲンさんに謎の安心感を覚えた

『私が倒れた時手当してくれたのってゲンさん？』

「そうだよ～？」

『ありがとう。お陰で凄く元気になった』

「……これまたゴイスー…」

『？』

片手で顔を覆って俯くゲンさん

なんかこの間の千空みたい(12輪参照)