花になりたい彼女 (ページ36)

今日:7 hit、昨日:35 hit、合計:463,795 hit

続きページ36

千空side

ゲンの野郎おせぇな

あいつは朝弱ぇが、起こしたらちゃんとスっと起きるタイプだ

なのに中々倉庫から出てこねぇ

…変だ

仕方ねぇから俺も行くか。丁度一段落着いたしな

伸びをしながらラボを出たとき丁度ゲンが倉庫から出てきた

「…何隠してやがんだ」

ゲンの紫色の上着に誰か入っている

言わずもがなAだろう

何してんだ…？

「ん～…千空ちゃん」

「んだよ」

「ここにAちゃんがいます」

「…あ"？」

「…今から見せるけど…暴走しないでよ～…？」

は？暴走？

何言ってやがんだこいつ…

顔を顰めるとゲンは勢いよく上着を広げた

そこに居たのは

「は？」

『おはよ千空』

ふわりと笑って俺を見上げるA

………猫耳…尻尾…はにかみ…舌っ足らず…

…ククク、安心しろゲン。

こんなん暴走する以前に…

お可愛すぎて悶えるわ

「尊すぎんだろ…」

片手で顔全体を覆いながらしゃがみこむ

『千空？どうしたの急にヤンキー座りなんかして』

そんな俺の顔を覗き込んでくるAは正気じゃねぇ

お前は俺を殺してぇのか？

「千空ちゃん尊いって言葉使うのね…しかも顔バイヤーなんだけど」

「普段は口にしてねぇだけだ、キリねぇからな。頭ん中では事ある毎に使ってんぞ」

つーか本物なのか？
頭から生えている耳に手を滑らせる

本物みてぇにフサフサだな、生え方もそれっぽい

それに

『ん～…ふふ、擽ったい…』

この反応が何よりの証拠だ

頬や顎を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める

あ"ー…こりゃ相当やべぇな…

「！？ど、どうしたA！その耳と尻尾は！！」

「ん？どーしたコハク…ってヤベー！！Aそれまじもんか！？」

まあコレ見て村の連中が騒がねぇ訳ねぇわな

真っ先に気づいたコハクとクロムがAに詰め寄った

『なんか起きたら付いてたの』

「まじかよ…そんなことあんのか…！？」

「めっぽう可愛いぞA…！！少し撫でさせてくれないか…！？」

『いいよ～』

ん、とニッコリ笑顔で撫でてもらおうとするA

莫大なダメージをくらったのは言うまでもない