7【真山】 ページ17
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私は切なくて哀しくて、何だかとても嬉しくなった。
…………少し、思い出話をさせてほしい。
実は、私とAちゃんは、同期である。
私が事務所に入社したのと、Aちゃんが二次オーディションを通過して入所したのは同じ年だ。
Aちゃんは8歳だったはずだから、私達は、14歳差になるんだと思う、確か。
私はマネージャーとして、ずっとAちゃんに付いてきた。
まだサポートメンバーだった時。
デビューが決まっても、そこに自分の名前がなくて泣いていた背中を、今でもよく覚えている。
事務所を辞めるつもりだった、とAちゃんはよく言う。
確かに、絶望するだろう。
自分が、サポートメンバーで入っていたグループが、デビューしてしまったのだから。
その時からAちゃんは、エイトにこだわっていて、みんなからも愛されていて、彼女も大好きで仕方がなかった。
もう未来永劫、一緒に踊ったり、歌ったりすることはない。
しかしその時、『魔法少女ホワイトリリー』の話が来たのだ。
彼女が、たった一人の女の子なのは世間でも、かなり有名な話だった。
だから注目度も見越した、民法の子供番組。
中学生だったAちゃんが現場に行くためについて行け、というのがしっかりとしたマネージャーとしての始まりだった。
私は、何も分からないけれど、きっと上層部は、ここでの評価次第で何処かのグループに入れるか、それとも事務所の「男性のみ」という当たり前の事実を守り、Jrとして卒業させるか、見ようとしていたのだと思う。
その前から、Aちゃんはドラマと映画など、子役としてなかなかに出ていて、実績もあったのだけど、中学生という、大人の階段を上がる彼女をもう一度、試す必要があったのかもしれない。
それでも、最初Aちゃんはホワイトリリーを嫌がった。
「私、可愛いもの好きやで。
スカートも、ワンピースもお化粧も、みんな好き。
でも、それは要らへんねん。
これでもっと女の子女の子したイメージが付いてまう。
……私な、デビューしたいねん。
ほんまは、皆とおんなじグループになりたかった…。
でもそれはもう、無理やから。
だとしても私、ジャニーズになりたいねん。
男になりたい。
そんな可愛ええの、私嫌や。」
それでも彼女は、オーディションを通った。
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ゆうみ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。ラストまでもう少し、お付き合いください！ (2020年1月20日 11時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！まさか…章ちゃんではない可能性が…？！ハラハラドキドキしながら続きを楽しみにしています。 (2020年1月19日 5時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。どの作品も読ませて頂いてます。まさかお相手が章ちゃんだったとは(*/∀＼*) 章ちゃん大好きなので嬉しいです！記憶も戻ってハッピーエンドになりますように。このお話の一話からもう一度読み返します！ (2020年1月8日 19時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年9月27日 5時
