2. 写真【橙】 ページ30
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.写真【橙】
「あの、錦戸さん、」
「なんすか、こそこそ」
「見ましたか。あの、写真」
「見たに決まってるやないですか」
「ですよねえ」
「どういう意味やと思います？」
「そういうことと、違いますか。
残念ながら。前撮り、的な」
「ああ〜〜」
「しゃーないっすよ」
辻褄合うけど〜〜〜〜〜！
.....
見慣れない写真が、Aさんの
手帳に挟まっているのを、見てしまった。
ほんの一瞬やったけど、あの時
僕の視力は6くらいになって
写った二人の人物を、しっかり捉えた。
白いタキシードを着た
高身長のえらくしゅっとした男の人と
その隣で、ぎこちない笑顔の
ドレス姿のAさん。
……え？
ちょ、ちょ、ちょっと待って？！
いやいや聞いてへんて、なんなん、
いや、今までの態度が彼氏持ちやったら、
そりゃ辻褄合うけども、合うけども…!
…さようなら僕の片思い…
連載終了……打ち切りや…
…丸山先生の次回作にご期待ください……
「Aさんこのあと直帰します？」
「はい、そうですね」
「…まあ、はよ帰りたいですよねえ…」
「何か顔に出てますか」
「いや、色々近いと、
そう、なりますよね…」
「……もしかして、あの手帳、ご覧になりましたか」
「あ、あの、はい」
「なかなか気に入っていたのですが
入れておくのは止めた方が得策のようですね」
「言いふらしたりせえへんから
大丈夫やで！」
「いや、あれは兄です」
「……？」
「あの、新郎は、兄なんです。」
「……お？」
「兄は、モデルなんぞをしていまして。
新しいブランドでなかなかモデル代を出せない
クライアントさんのほうから、打診があって
スズメの涙程度で使えるよ、と
兄が、私を引っ張り出したんです。
こうやってお仕事していると
あまり劇的な変化や刺激というのはありませんから
思い切ってやってみたんです。
元々兄の仕事ですから
私にピントが合うことも稀というような
マネキン程度の撮られ方しかしていませんが。
兄の働いているのを見るのも
初めてで、楽しかったんです。
で、一枚印刷したものをいただいて
実家にでも、と思ったら、
もう一人の兄が、焼き増しをかけてきて
それならと思って手帳に」
「あ、………ああ〜！！そうなんだ！！」
「すみません、長々と話してしまいまして」
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
