【6】宮野さん(女)はえいとでした【人妻編】 (ページ18)

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（6）まさか私がページ18

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まさか私が、って塾の広告やないけど、人生にある坂、上り坂下り坂まさか、の3つ目が今日ってことなんやろうな。

まさか私が花嫁に。

悩みに悩んだドレス。

コーディネーターさんに沢山付き合ってもらって、最後の3着まで決めて、スケジュールの許す日のおーくらさんに選んでもらった。

選んだ言うかほぼ相談みたくなってたけど。

コーディネーターさんと会って、色々決める日は私だけやったり、二人やったりしてんけど、二人の日も帰る家は別々やから

『本当に全部式終わってからなんですね…』

とコーディネーターさんに言われたりした。

結局、露出の少ないレースの袖が付いた、Aラインのドレスに決まって、頭にティアラまで載っけることになった。

ボブやしなと思うててんけど出来ます言われたし、せっかくやからな。

お似合いです、と云うてくれるお姉さんに、せやろ、と返すおーくらさんが恥ずかしくて嬉しかった。

式前日に家族だけで食事会をして、当日。

伯母とミナが受付してくれて、

お母さんがメイクルームまで来てくれて。

状況も状況やし、式も挙げるか微妙やったけど、やっぱり親孝行になったみたいで安心した。

式のリハ、撮影と進んでいっていよいよ本番。

今までにない緊張感。

身内しか居いひんし、歌もダンスもあらへんけどその代わりウチワもペンラもない。

リハから二人とも、浮足立った感じで目線は泳ぐしなんというか、一応俳優という肩書も持ってる(持ってた)二人とは思えへんお粗末ぶり。

ヴァージンロードを歩く時、全員の顔が見えた。

勿論、メンバー一人ひとりの顔もよく見えて、一番最近会った章ちゃんの笑顔に、何だか励まされた。

まずは手を握り合って誓いの言葉、そしてベールアップして指輪交換。

やっててもどこか

『あーこれドラマで見たやつやん』

とか思うてしもうたりして、

やけどそんな客観視してる割には、おーくらさんも私も手が震えていて、小さく眼を合せて笑ってしまう。

そんななのに結婚証明書なるものにサインまでさせられてとても人に見せられない字になっていた(いや、見せたけども)。

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