あの子達への贖罪を【コナン×約ネバ】

＊9ー11 ページ25

「これ、見えるかしら？」

立襟を横にずらし、コンシーラーを落とす
そこにはなぜか転生したというのに入りっぱなしのマイナンバーが刻まれていた
異変に気付いたのは2回目と気付いたすぐだった

母に聞いても誤魔化されたから、あながち孤児院出身なのは間違いじゃないかもしれない

「端的に言えばこれが商品番号
私は73584。レスリーは71584」
「ちょっと待って。言い方悪いけど何で貴方達は生きてるの？
商品ならもう食べられているんじゃない？」

ジョディが困惑したように声を上げる
これにはどう答えるのが正解なのだろうか
実際、あっちでは出荷されていて死んだわけだし私はプラント側についたが殺されている

レスリーに目を向けると彼は苦笑しながら話し始めた

「実は俺は出荷されて黒の組織に来たわけだけど、ジンに拾われてさ
イザベラはフルスコアだったから里親に引き渡されたんだ」
「フルスコア？」
「そ、フルスコア。
一応表向きは孤児院だから勉強させられるわけだよ
で、毎日開かれるテストの点数と年齢で出荷順が決められるわけ。テストで満点がフルスコア」

ニコニコとあたりの優しい笑顔でレスリーは言った
その言葉を聞いて今まで黙っていた椿が口を開いた

「年齢と点数？
年齢はともかくテストの点数で出荷順が決まったの？」
「お、いいとこ言うね。椿さん」
「どうも」
「答えは食う側の関係にあるんだよ」
「……まさか」

ゼロが顔を上げた
その顔はすこぶる顔色が悪い

「気付いたみたいだね。そう、あいつらが食うの脳みそだから。優秀なほどうまいし貴重」
「だからこそ、祭事や神事にしか出荷されないのよ。納期は満12歳まで。
私の場合はプラント経営者になるために出荷された。そう、第3プラントのママとして
まあ、引き取り手がこの街で刺されて亡くなったからそれはなくなったけれど」

レスリーの言葉を引き継いで言うと全員の顔が強張った

「…第3プラントというと、他にもあると言うわけか」

秀一がタバコに火をつけて吐き出しながら言った
それに私は答える

「私の記憶通りであれば第6プラントまである」
「幹部がプラント側…つまりは子供達を食ってるやつがわんさかいるって事か？」
「いや、確認しているのはベルモット、ラム、それからボスの3人だ」
「トップ3か…」

秀一はそう呟くと脱力したようにソファに身を沈めた
私は新たな情報を覚えつつ紅茶を一口飲んだ

＊9ー12→←＊9ー10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す