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数メートル先の2人ー降谷零と諸伏景光ーに若干の驚きながらも
油断しきっていた自分に怒りを通り越して呆れた
この学校で教師の許可なしに行けるところは限られている
それも4つという少数に絞られるのだ
探そうと思えばバカでも探すことができるという事実を見過ごしていたのだから
今世に馴染みすぎて平和呆けし過ぎたのかもしれない
「まぁまぁ、ゼロ。落ち着けって。
神誓も悪いな。コイツこんな言い方だけど神誓のこと結構心配してたんだぜ」
「おい、ヒロ!余計なこと言うなって」
私が思考に没頭していた間の沈黙を悪い方向に捉えたらしい諸伏は降谷を、宥め半分揶揄い半分で仲裁に入った
入学式の時も思ったがこの2人はかなり仲がいいらしい
ポンポンと速いテンポで展開されていく会話は子犬が戯れているような可愛らしさがある
あんまりにも可笑しかったのでクスッと笑みを漏らせば、それに反応した2人の会話が止む
2人は驚いたように目を丸くした
疑問が頭をもたげたが
そういえば前世と違って声を上げて笑っていなかったな
という答えにたどり着いた
なるほど、驚くわけである
「ふふ、ごめんなさい。あまりにも可笑しかったものだから」
風に靡く髪を一つに縛りつつ、笑いながらそういうと2人はバツの悪い顔をして「あー」だの「うー」だの言葉にならない返事を発した後
結局何もいえないのか諸伏は困ったように苦笑した。
降谷の方は相変わらずの仏頂面だったが…
「それで?
先生が探してるってことは私は戻らないといけないのかしら」
私の問いに目の前の2人は一瞬だけ視線を交わした
十中八九この仕草が入るということは、先生が探しているのは嘘だったのだろう
「あー、まあな。でも、次の時間科学だし俺らもサボりたくてさ
ここに一緒させてもらってもいいか?」
申し訳なさそうな笑みで言ったのは諸伏の方だった
それに違和感を感じたのは言うまでもなかった
まず前提がおかしい。先生が私を探していないのに関わらずこの2人は授業を抜け出した
仮に本当にサボりたいのであればわざわざ私のいると真っ先に予想される屋上にくるのではなく、他の場所に行くのが妥当だろう
この学校は県内有数の進学校なためこの時間は残りの3つがガラ空きだ
つまり、この2人の目的はサボりではなく私にあるのではないか?
しかし、なぜ私なのか。
確かに首席入学したがそこまで目立ってはいない
私の関係性から私が教室内にいないことに気づくのが不思議なくらいだ
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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います! (2020年6月3日 0時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます!頑張って更新します!! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します!この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます! (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か?最高! (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年5月19日 20時