第3章 ページ21
季節は巡り私は17回目の冬を迎えた
イギリスとアメリカから無事帰れた私は日本の高校生活に馴染んでいった
といってもゼロとヒロが同じクラスだったので中学と同様に3人で過ごしていた
「なあ、A。お前本当に進路どうするんだよ」
中学二年生にも同じことを言われたな
と思い出しつつ、お弁当を食べ進めていた箸を休ませる
きっと進路に関しては先ほどの授業で進路調査が配られたからだろう
「…そうね。どうしようかしら」
冬独特の乾いた風が私たちを通り抜けていった
「何か好きなこととかないのか？趣味とか物とか」
ゼロに問われて趣味とよべそうなことを探す
読書…は違う。
あれは知識補完だ
裁縫…も違う
となれば家事全般…？って世間一般に考えてそれはない
歌も絵も好きだが
ただ、あえて言うなら
「…子供…かしら」
「「子供？」」
「ええ、子供が好きなの。その子たちを守れるならそれでいいわ」
自分で言って自分で納得するように頷きながら
箸を再び進める
「なら！俺たちと警察官にならねぇ！？」
ガバッと効果音がつきそうなほどの勢いでヒロが身を乗り出す
「…警察官？」
「おう！子供が好きで守りたいなら…
交番！とか？だよな、ゼロ！」
「ああ、後は交通課とかだな。まあ、一番子供達の近くなら交番だな」
尻尾があればブンブン振り回すような勢いで喜んでいるヒロ
それを見守りつつこちらも嬉しさが隠しきれていないゼロ
本当に見ていて飽きない2人だ
2人はポンポンと軽快なテンポで話し始めたので、私はそれを聞き流しつつ弁当を食べ進める
それにしても
警察官、か…
そう言う職業があるとは最初からわかっていた
しかし、私のような者がなってはいけないと思った
前世とはいえ、私は多くの子供達を殺してきた
毎回、死んでゆく子供達は最後の最後まで幸せそうに笑っていて
あの時はそれで良いと思っていた
最後の最後まで幸せに何も知らずに箱庭の中だけで終える人生
全ては私が生き残るために
夢を見ていた子供達を終わらせてしまった
それも死という最悪な終わり方で
「A！やっぱり警察はスーツの刑事の方がかっこいいよな！？」
「いや、絶対違うな！警察官は制服だからかっこいいんだ！そうだよな、A！？」
「ふふ、どちらでもかっこいいと思うわ。警察のおかげで平和なのでしょう？この街は」
そう
だからこそ
私に平和を作る資格はないのだ
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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います！ (2020年6月3日 0時) (
レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます！頑張って更新します！！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します！この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます！応援してます！ (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます！ (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か？最高！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるクラ | 作成日時：2019年5月19日 20時
