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*3ー1 ページ22

それが来たのは冬も終わり春に突入する頃だった

桜の蕾が膨らみ、風がようやく穏やかになった
私たちは無事留年することもなく、高校3年生になる

周りは大学進学をする生徒が多く、休み時間も勉強に励んでいる人もちらほらいた

「神誓、いるか?」

そんな中、私は先生から呼び出しを食らった

何かしただろうか
と、今日一日の行動を振り返るが特に心当たりはない
先生に言われるまま大人しく校長室に行った

校長室の前に立ち、ノックをして返事を待つ

「どうぞ」
「失礼します」

ガチャリと扉を開け、中に入る
中にいたのは予想通りの3人
1人は校長、もう2人のうち1人はどっかりと来客用のソファーに座っている
その男はやけに目を惹いた
白髪に隻眼、顔はかなり強面だ
そして、何より

隙がない

赤井さんの時も思ったがこの世界では常に警戒していかなければ生きていけないのだろうか

「すまないね、神誓さん。授業が始まってしまうという時に」
「いえ、お心遣いありがとうございます」
「そう言ってもらうとありがたい。座ってどうぞ」
「失礼します」

校長の上部だけの謝罪に適当に相槌を打ちつつ、ソファーに座った
必然的に白髪男の目の前に座ることになり、いつでも反応できるように自然と足に力を入れてしまう

「ふむ…校長先生少し神誓さんと話したいのだが?」
「あ、ええ。わかりました。で、では私は別室にいますので」

明らかに白髪男が話しかけるとビビった校長はそそくさと校長室を出て行った
というか素性を明かしていない男達と3人きりにしないでもらいたい

バタムと扉が閉まると不意に横に立っていた男が懐から機材を取り出す
それを周囲にかざしなにかを探しているようだったがすぐにまた元の位置に戻った
それを見た白髪の男は私に向き直り、重々しい声を発した

「はじめまして、お嬢さん。
私の名前は黒川 アザミ。警察官だ」
「黒川さんですか…。申し遅れました。
神誓Aです。」
「ああ、君のことは校長からよく聴いている。
随分と頭がいいそうだな。全国模試もずっとトップの成績を維持しているらしいじゃないか」
「いえ、勿体ない評価を頂いております」
「謙遜しなくていい。私は純粋に感嘆しているのだよ」

表面だけの言葉に辟易しながらも、淡々と会話を続ける
スッと目が私を射抜くように鋭いものに変わる

そういえば、横にいた男はどこに行った?



直後、バゴッとなにかが砕ける音がした

*3ー2→←第3章



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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います! (2020年6月3日 0時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます!頑張って更新します!! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します!この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます! (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か?最高! (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年5月19日 20時

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