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*3ー9 ページ30

小さな女の子の名前は毛利 蘭というらしい
見つけたのは母親ではなく、保護者で工藤有希子という女性だった
男の子連れで焦ったように周りを見渡していたところをゼロが見つけた

「本当にありがとうございました」
「いえ、大丈夫です。次はお子さんから目を離さないでくださいね」
「分かったわ」

軽く挨拶してスヤスヤ眠る蘭ちゃんを渡す
有希子さんは黒い車に向かっていく
私たちに連れていた男の子ー工藤新一くんーを預け夫に蘭ちゃんを預けるそうだ

「ねーお姉さん」
「ん?なあに?」
「お姉さんって保育園の先生なの?」
「いいえ、どうしてそう思ったの?」
「子供慣れしてるから!普通の大人は俺たちが泣いてるとオロオロしがちなんだぜ?」

誇らしげに言う新一の観察力に若干驚きつつ、目線を合わせてしゃがむ

「保育士もいいけど、私は警察官なの」
「え、警察官?」
「ええ、そこにいるお兄さん達もね」
「ふうん」

どこか面白くなさそうに相槌を打つ新一にクスリと笑いかける
推理が外れて面白くないのか、又は警察官があまり好きじゃないのか

「ふふ、警察官は嫌い?」
「いや、警察官って言う職は好きだけど…いっつも父さんが助けてるから頼りになんない
俺も自分で解いた方が早いと思う」

なるほど
この子の父親は探偵か知識の豊富な人なのだろう
最近、噂で聞く捜査一課に入っている推理作家のように協力関係にあるらしい
さて、どう諭すか

「やあ、僕。俺は萩原。新一君だよね」

フッと隣に影がさす
すぐ近くに萩原がしゃがんでいた

「うん」
「おれさ、爆弾処理班に入る予定なんだよね
って爆弾処理ってわかる?」
「おう!爆弾を解除するところだろ?」
「うん。よく知ってるね」

ガシガシと萩原が新一の頭を撫でた
新一は不満顔ではあったが満更でもないようだ

「でもさ、新一君。知識があっても訓練を重ねてなきゃできないこともあるんだよ」
「出来ないこと?」
「そう、例えばここに10秒で爆発する爆弾があるとして
どうやって解除する?」

空中に萩原が手で箱型を作る
それを新一はじっと見つめ考える仕草をする

「…わかんない」

しばらく考えていた新一だったが、困ったように眉を下げた
それにニヤリと笑った松田が話に乱入した
それを私達は苦笑いをしながら眺める

「そうだよな。警察官っつうのは市民を守るためにいるんだぜ?
事件で頼られてこそだ。だから、坊主も自分で片をつけようとするなよ?」
「…うん、分かった」
「おし、いい子だ」

*3ー10→←*3ー8



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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います! (2020年6月3日 0時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます!頑張って更新します!! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します!この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます! (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か?最高! (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年5月19日 20時

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