るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ8)

今日:35 hit、昨日:10 hit、合計:185,110 hit

弐什弐ページ8

「あーお腹いっぱい！ごちそうさま！」

「ごちそうさまでした。」

ご飯を食べ終わった僕たちは、食器を片付ける。

さっきからAさんはすごくニヤニヤしている。

…なんでだろう？

「あの、どうしたんですか？そんなに笑って。」

「え‼︎？…わ、私笑ってた！？」

笑ってたのに。ずーっと。
気付いてなかったんだ…

「あ、そうだ！そろそろ着物返さなきゃだね！」

あぁ、確かに。

僕はずっと白いシャツを着ている。
夏も終わり頃で、少し寒い。

そろそろ返して貰わないと、僕が風邪をひく。

それに、すごくぶかぶかで着辛そうだし…

「そうですね。それじゃあ、向こうで待ってますから。」

そう言って隣の部屋へ移動する。

しばらくして新しい着物に着替えて、僕のいる部屋にやってきた。

そして僕にさっきまで着ていた着物を手渡し、にこっと笑った。

「ありがとね！助かったよ！」

なんだろう？
胸が満たされていくこの感じ。

志々雄さんに貢献できた時とは少し違う感情だ。

でもきっとそれは、相手が女の人だから。

きっとそうだ。
この感情は…いつもと違った感情ではない。

「いいですよ。僕も着替えますから、あっちに行っててくださいね。」

すると、頬を染めて「あっ、そっかそっか！」と言った。

いちいち顔が赤くなるAさんは、少し面白い。

Aさんが隣の部屋に行ったのを確認して、着物を着替える。

すると、ふわっとAさんの匂いがした。

…こんなに短時間で匂いってつくんだ。

いい匂い…
なんだかすごく、眠くなる匂いだ。

少しだけ…横になってもいいかな？

いや、それはさすがにダメか。

壁にもたれかかろう。
少しだけだから…大丈夫だよね？

膝を立ててその上に腕を乗せ、そこに顔を埋める体勢で目を閉じた。

鼻の近くに着物の袖があるため、Aさんの匂いに包まれる。

はぁ……なんかすごく……幸…せ………だなぁ………………

僕は意識を手放した。