るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ44)

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伍什伍ページ44

「あぁー…僕もお腹すいた！ね、宗次郎。」

「そうですね。」

そう言って、いつもと変わらない笑顔を向けてくれる。

いつかこの幸せが壊れてしまいそうで怖い。

これを守るためには…私に何ができるのかな。

強くなることくらいしか思いつかない。

「何してんだよ。行くぞ優月。」

左之助が私の背中を押す。

「うん。行こ、宗次郎。」

私たちは晩ご飯を食べに家に戻…るのかと思いきや、外食でした☆←

ーーーー

ここは…すき焼き屋さん？

なんなんだ？
何が出てくるのか分からない。

だけど、周りの人が食べているのは紛れもなくすき焼き。←

あ、そうだ。

宗次郎、志々雄と戦ったときに刀無くしちゃったよね。

私二本持ってるし、あげようかな。

「宗次郎、刀ないでしょ？これ、あげるよ。」

宗次郎が前に持っていた虎徹を腰から抜き、宗次郎に差し出す。

「これからAを守るためには必要な道具ですね。もらっておきます。」

涼しい顔でそう言うと、それを受け取り腰に差した。

『Aを守るために』…か。

一度は言われてみたかった言葉…！！←

…っていうのは冗談で。←

本当に嬉しいな…
いつまでもその手で守って欲しい。

そう思って宗次郎の手を右手を見つめる。
刀を握って、返り血を浴びてきた手。

「さ、食べましょ！」

いつの間にか目の前に置かれていたすき焼き。
「いただきまーす！」

それぞれにいただきますを言って食べ始める。

無我夢中で食べる左之助と弥彦を横目に、私も牛肉を箸で持って口に入れた。
すき焼きの味が口いっぱいに広がった。

「美味しい…」

思わず溢れたこの言葉に、薫が笑う。

「なかなか食べれないでしょ？」

その通り。
なかなか食べれるものじゃない。

「そうなんだよねー…」

私も笑いながらそう返したときだった。
警察官が物凄い形相で入ってきた。

「緋村剣心に続き、新たに指名手配が発布された。『人斬り狂犬』こと西條優月。二本の刀を持ち、髪は一つに結んでいる。小柄で容赦なく人を斬る奴だ。顔は女顔。見つけたものは直ちに知らせるように。」

わたしのなまえ ☆←

は？てか人斬り狂犬って何？
意味分かんないんだけど…

通り名ってやつ？

私の夢が一つ叶ったような気がした。
前から通り名って憧れてたし……

だけど…それが裏目にでるなんてね。
思いもよらなかった。

突然の知らせに、店内が騒ついていた。