るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ36)

今日:27 hit、昨日:10 hit、合計:185,102 hit

四什七ページ36

「だらしねぇな。2人まとめて殺してやる…」

そう言った時、宗次郎が私の両腕を後ろから支えた。

志々雄の力に押されて震えていた腕が力を増す。

そして、腕を支えていた宗次郎の手が、刀を持つ私の右手を握り、刀をうまく操って志々雄の手を突いた。

血が滴る志々雄の手から刀は離れる。

宗次郎がその刀を足で蹴り飛ばし、床を滑って行った。

一瞬のことで驚いたけど、その隙に宗次郎の肩を起こし、立ち上がらせる。

「A…僕はいいから………」

そう言う宗次郎を半ば引きずるようにして部屋を出た。

扉を閉め、船から出る。

志々雄が追ってこないのが不気味だけど、今はそんなことどうでもいい。

私たちは町へ向かっていった。

ーーーー

町に来ると、住人たちが白々しい目で私達を見ている。

そりゃそうだよね。

血だらけの男と、それを支える女っぽい男。←

宗次郎は、だらんと首をうなだれながらも一生懸命歩いてくれている。

早く助けてくれる人を見つけないと…

そう思って呼びかけるも、見た目のせいか、誰も足を止めてくれない。

だけど、一人だけ足を止めたおじいさんがいた。

見た目からして、なんとなく漁師だなって思ったけど。

「船で本島まで連れて行ってやる。付いて来い。」

「あ、ありがとうございます！」

そうだ…ここは離島だった。

お言葉に甘えて、その人に本島に連れて行ってもらった。

大体1時間くらい経ったかな…宗次郎は私の膝で眠りについている。

私は男装してるってことを忘れないで欲しいんだけどね…←

「…着いたぞ。お代はいらねぇから。」

着いたところは東京…らしい。

こんなところに留めていいのかな…ってところに船を留めた。

「ありがとうございました！！！」

頭を下げて、宗次郎を起こす。
白々しい目は相変わらずで。

しばらく歩いてるけど、そろそろ宗次郎も限界かもしれない。

「もう少しだからね！大丈夫だよ！」

そう言って励ますも、正直私ももう限界。

まだ江戸の街並みが残る町を歩いていく。

そんな中、男の子の声が響き渡った。

「お、おい！あそこにいるの…Aじゃねえか！？」