魔王との契約 ページ9
「魔王がわざわざ来るとはな···」
意気消沈､といったところか
そんな侯爵をよそにリムルはニコニコといたずらっ子のように笑っている
「···確か､土地と国民の権利でしたかね？それを譲らなければこの街は···」
不安げな顔をしている
···この人に対して少し勘違いをしていたようだ
自分の地位や権力のために悪事を行っていると思っていたが
どうやら､街の発展のために行っていたようだ
だけど···
『···自分の思い通りにいかないと直ぐに殺そうとしたり､人身売買をするような人間を簡単に信用出来ない』
その言葉に､侯爵は肩を竦めた
「ま､Aの言うことにも一理あるな」
「申し訳ない､さっきは気が動転していたんだ」
私がはなんだか汐らしくなっている侯爵にイラッとした
『貴方のせいで売られた人や､殺された人にも同じことが言えますか？』
私は侯爵を見据えて軽蔑したように告げた
「A様···」
シュナが戸惑いながらも私の手を握り､今にも溢れ出しそうな怒りを鎮めてくれた
リムルは黙って少し振り返りながら私を見つめている
何を思っているのだろう
『···すいません
出過ぎた真似をしました』
「···いや､全て事実だ 私は人として最低の行為を行ってきた···」
···
私のせいで､嫌な空気になってしまった
最近どうにも自分の感情を抑えられなくなっている
···段々と心まで魔物に近づいていってるんだろう
「···えっと､それでなんだが
確か貴殿は労働力より資源を求めていたな
俺達は土地よりも国民の権利を貰い受けたい
そこでどうだ？俺達がこの不祥事の証拠を取り消して､代わりに国民の権利を頂きたい」
「も､勿論です！」
侯爵は慌てて叫んだ
よっぽどこの不祥事が国王に伝わるのが嫌なんだろう
「···だがこれだけは覚えておけ
もし今度､貴殿の不祥事が俺の耳に入ったら···」
「し､しょ､承知しております！」
顔を青ざめて叫ぶ侯爵
これでシトリアの国民は､魔国連邦に迎え入れることになるだろう
本当ならシトリアの土地で､今まで通りの生活を送ってもらいたかったけど···
『···あの』
私は､今の自分が一番知りたかったことを侯爵に問いただした
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セイ - 最近は土日も仕事があって更新が遅くなりました...心のこもったコメント凄く励みになります！本当にありがとうございます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 毎日毎日楽しみながら読んでます！更新頑張ってください！とっても面白いです (2020年7月17日 7時) (レス) id: 28d482e202 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ちょっと古いですけどDetroit Become Humanですかねー (2020年6月28日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - ps4持ってるんですねっ！！私も持ってます！ちなみにオススメのソフトってなんですか？？？ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年5月29日 3時
