段違いの悪戯 ページ33
私は隙間から出した右手をギュッとおさえた
「だ､大丈夫？」
「軽率ねぇ…」
セシルとシルクが口々に声をかけてくる
うっ…すいません…
ちょっとした好奇心です…
「アホ…？」
グサッ
リムルの一言が私の心臓を貫いてきた
一番きっつい…
『セシルには心配して駆け寄ったのに…』
「いや､セシルはともかくお前のは自業自得だろ？」
ぐうの音も出ないです
リムルは呆れ笑いを浮かべながらも回復薬を取り出した
私はジンジンと痛む右手に目をやった
なんだか指先の感覚がない
『…？！』
私の右手を段々と白いものが覆っていく
これは…霜…？
いや､なんとなくだが…これはやばい気がする
私は右手から炎を吹き上げた
「ちょッ…どうしたんだいきなり…？」
私の右手に触れようとしていたリムルが慌てて飛び退いた
おかしい
霜が全く溶けない
炎に溶けないなんて…ありえない､はずだが…
私は一心不乱に温度を上昇させていく
炎は段々と大きく､そしてどす黒く染まっていく
「A…？！」
「ど､どうしたの…？」
私の右手にある霜を見ていない3人は困惑したような素振りを見せている
ジュッ…
やっと溶けた…
『良かった…』
私はホッとしながら溜息をついた
…それにしても､さっきのはなんだったんだ？
明らかに､ただの氷ではない
私の出せる最高温度でやっと溶かせるぐらいだった
もしもあの霜を溶かせなかったら…
私は少しゾッとしながらも3人に事の経緯を説明する
「溶けない霜…」
「どうしてそんなものが部屋の中に？」
「まさか…エルニア様の魔法…？」
考察を述べあっているが､そろそろ時間がない
開けられない扉を前に､私達は何も出来ないのだろうか
「仕方ない シルク」
「は､はい！！」
リムルにいきなり声をかけられ､シルクは驚きながらも返事をした
「この扉って､壊してもいいか？」
「え…？は､はい 入れるなら勿論構いませんが…」
リムルは余裕の笑みで右手を扉に向かって突き出した
「"暴食之王(ベルゼビュート)"」
そう一言呟いたその瞬間､扉と一部の壁がパックリと綺麗に無くなった
扉と言っても､恐ろしいほどの大きさなのだが
『…ほんと いつ見ても冗談みたいなスキルだよねぇ』
2人は呆然と立ち尽くしている
「よーしっ！これで中に入れるな！！」
そんな別世界のようなスキルを披露したリムルは悪戯っ子のように笑っていた
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セイ - 最近は土日も仕事があって更新が遅くなりました...心のこもったコメント凄く励みになります！本当にありがとうございます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 毎日毎日楽しみながら読んでます！更新頑張ってください！とっても面白いです (2020年7月17日 7時) (レス) id: 28d482e202 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ちょっと古いですけどDetroit Become Humanですかねー (2020年6月28日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - ps4持ってるんですねっ！！私も持ってます！ちなみにオススメのソフトってなんですか？？？ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年5月29日 3時
