否定 ページ27
〜シルクside〜
私は見慣れない天井を見上げながら子供の頃のことを考えていた
隣でスゥスゥと､Aの寝息が聞こえる
"何故私の家系で魔法に特化しているんだ…！"
"王族に仕えるという立場も分からない出来損ないが！！"
"気味の悪い魔法ばかり使うんですって…"
煩い 囀るな…
私だって…私だって…！
"お前は､お前だ それ以外の何者でもない"
ふと､その言葉を思い出した
「ッ…！イヴ…どうして…！」
私は､Aが起きないように小さな声ですすり泣いた
「そうだな…このお腹の中の娘の名前は､「シルク」にしよう 美しい絹のような髪にピッタリだろうな」
「えぇ､そうね…」
これは､私が小さい時に自分の過去を魔法で覗いた時の記憶だ
私の両親は､2人とも真っ白な髪に赤い目だ
それは代々続くグランテ子爵家である者の共通点だった
2人とも､私の見た目を白髪だと信じて疑わない
両親は､とても幸せそうに笑っていた
…だが､産まれてきた子供…「シルク」は黒髪黒目の異質な存在だった
所謂､「突然変異」だ
そのせいで､私の母親は密通をしているのではないかと疑われた
まぁ仕方ないとは思う
私だって､何度この髪と目を呪ったことか
父親は､私を娘とも思わず
母親は､自分を陥れた娘を忌み嫌っていた
グラン子爵家は代々王族に仕える…所謂護衛騎士みたいなものだ
それは男女関係なく､皆等しく剣術に優れている
…だけど私は､剣術がどうも好きになれなかった
ある日､剣術の授業をサボって皇宮の大書庫で時間を潰していた時､たまたま魔法学の本が目に入った
ちょっとした好奇心だ
私はそれを手に取って､気がつくと日が暮れるまで読みふけってしまっていた
本の通りにしてみるだけで､簡単に水が作れる 火が出せる 緑を増やせる
「魔法って面白い…！」
齢7歳にして魔法の真理に触れ､忽ち私の魔法知識は大人をも凌ぐようになっていた
…だけど､両親はそれがどうしても気に入らなかったようだ
私はサッサと厄介払いされるかのように皇女の護衛にされた
1番末の､毒にも薬にもならないような皇女だそうだ
「お前のご主人は高飛車で我儘放題らしいな？出来損ない同士､ピッタリだな」
其れが､父との最後の会話だった
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セイ - 最近は土日も仕事があって更新が遅くなりました...心のこもったコメント凄く励みになります！本当にありがとうございます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 毎日毎日楽しみながら読んでます！更新頑張ってください！とっても面白いです (2020年7月17日 7時) (レス) id: 28d482e202 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ちょっと古いですけどDetroit Become Humanですかねー (2020年6月28日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - ps4持ってるんですねっ！！私も持ってます！ちなみにオススメのソフトってなんですか？？？ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年5月29日 3時
