亡命者 ページ11
『···ごめん』
「いいよ 誰だってそんな時はあるさ」
リムルはそう優しく言ってくれた
私は抱きしめている腕をスっと緩めて顔を上げた
『···ありがと ちょっと落ち着いた』
「そうか 良かった」
目が合った私に､少し目を細めて儚げに笑うリムル
「それじゃ､魔国連邦に帰るか！」
私はリムルの肩に手を置いた
シュナはリムルの腕を両手で優しく握る
空間移動の対象条件だ
術の発動者に触れていること
私達は空気に溶け込むようにその場から消えた
術の光が眩しくて､私は目を閉じた
次に目を開けた時には､既に魔国連邦の入口に差し掛かった道だった
「ちょっとズレちゃったな···ここからは歩いて戻るか」
「はい リムル様」
私達はリムルに着いていくように魔国連邦へと向かった
魔国連邦に着く頃には今にも日が沈みそうだった
到着した時､私は変な違和感を感じた
『なんだか皆が慌ただしくない？』
「本当ですね」
私達は幹部達がいるであろう場所に急いで向かった
「リムル様だ」
「あぁ···お帰りになったんだ···！」
「誰かお伝えした方がいいんじゃないか？」
街の人達の様子を見ていると､やはり様子がおかしい
「リムル様！」
聞き覚えのある声が私達を呼び止めた
「お兄様！」
『「ベニマル！」』
声の主はベニマルだ
かなり急いできたようで肩で息をしながら話し出した
「さ···先程､ステラ国から亡命者が大勢押し寄せてきまして···」
ステラからの亡命者？
「亡命者？戦争でも起こったのか？」
「いえ···それが···ほぼ全員が亜人種でして···」
亜人種···ってことは···
イヴの領地からの亡命者だ
私達はベニマルに連れられて､亡命者の避難場所へと案内された
そこは､大勢の亜人達で埋め尽くされていた
大きな怪我や病気をしている様子はない
ただ女子供も大勢いて､皆疲れ果てているようだ
「今非常時に備えてあった食料を分けているところです 怪我人には回復薬を支給しています」
「···ザッと500人はいるな」
皆疲れてはいるようだが､安心したように疲れを癒している
「A！」
私を呼ぶ､澄んだ声が聞こえた
聞き慣れた､この世界の友人の声だ
『シルク···』
私は安堵のため息を漏らしたのだった
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セイ - 最近は土日も仕事があって更新が遅くなりました...心のこもったコメント凄く励みになります！本当にありがとうございます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 毎日毎日楽しみながら読んでます！更新頑張ってください！とっても面白いです (2020年7月17日 7時) (レス) id: 28d482e202 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ちょっと古いですけどDetroit Become Humanですかねー (2020年6月28日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - ps4持ってるんですねっ！！私も持ってます！ちなみにオススメのソフトってなんですか？？？ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年5月29日 3時
