後悔と懺悔 ページ1
「帝国騎士団だ！全員両手を上げて膝を地面に着けろ！！」
俺は涙目でゆっくりと振り返った
20人くらいの人間達が武器をこちらに向けている
亜人は皆､放心状態だ
「聞こえなかったのか？！サッサと言うことを聞け！」
1人の人間が､跨っていた馬を降りて妹の首筋に剣の刃を当てた
妹は一瞬身構えた後､段々と恐怖が湧き上がってきたのか大声で泣き出した
「チッうるせぇな···」
「見た目も良くないし､健康状態も悪そうだ
これじゃ売っても二束三文程度だろうな」
「これじゃゼロどころかマイナスだ
うるさいだけだし殺しちまおうぜ」
妹の束ねた髪を乱暴に引っ張る
「お兄ちゃん···！」
俺に助けを求める妹
助けないと···
そう思っているのだが､体が動かない
恐怖､疲労感､そして母を失ったことによる苦痛
全てが重く､俺にのしかかる
「···そうだ どうせなら見せしめに···」
1人がニヤつきながら妹の髪を掴んでいる人間に耳打ちする
「あぁ···！いいな､それ」
訳も分からず立ちすくんでいる間に､妹の首に2本の縄が掛けられた
細く､まるで糸のようだ
2本の縄の先は､人間達が乗っていた馬に繋がれる
その時､直ぐに人間達が何をするつもりなのか理解した
「や···やめ､ろ···！！」
そう叫んで駆け出そうとするが､屈強な人間に押さえつけられる
「おーい 早くしろよ 待ちくたびれちまった」
「あぁ···ヤッ！」
馬に､掛け声を出す
2頭の馬は真反対の方向に全速力で駆けだした
···ほんの一瞬だった
妹の首が宙を舞い､血飛沫が俺の頬に飛んでくる
その瞬間､俺はあまりの衝撃で意識を失った
《お兄ちゃん···どうして助けてくれなかったの···？》
···
《お兄ちゃんのせい···》
···あぁ､そうだ
俺は馬鹿で間抜けな意気地無しだ
妹1人､助けることが出来なかった
俺は､幻覚が見える中自分を責め続けた
こうしないと､自我を保つことが出来なかったんだ
"···バイバイ また···遊ぼうね···"
俺が出した言葉じゃない
妹の声が聞こえた気がした
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セイ - 最近は土日も仕事があって更新が遅くなりました...心のこもったコメント凄く励みになります！本当にありがとうございます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 毎日毎日楽しみながら読んでます！更新頑張ってください！とっても面白いです (2020年7月17日 7時) (レス) id: 28d482e202 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ちょっと古いですけどDetroit Become Humanですかねー (2020年6月28日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - ps4持ってるんですねっ！！私も持ってます！ちなみにオススメのソフトってなんですか？？？ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年5月29日 3時
