憎しみ ページ6
〜モブ騎士Aside〜
この森に来て何日か経った
俺らの仕事は､この魔法装置の管理·····というか防衛だ
そんな事言っても､魔物が来る気配は全くない
やはり穢らわしい魔物はこの魔法装置に近づくことすら出来ないようだ
確か､魔物の国の主はスライムでとても強者だと聞いていたが
聖騎士長のヒナタ·サカグチが既に討伐したとの話だ
あとは残った魔物を駆逐するだけ
簡単な仕事だ
俺はチラと先輩の騎士達に目を向けた
「·····ちょっと先輩
酒を飲むには早すぎじゃないですかー？襲撃でもあったらどうするんですかー」
俺は半分巫山戯ながら先輩に言った
「あー？大丈夫だろ
魔物が来る気配もないし､こんな辛気臭ぇ場所
飲んでなきゃやってらんねぇよ」
「ったく·····あれ？先輩､その酒どうしたんすか？」
俺は先輩が持っている瓶に気がついた
見たことの無い酒
「そういやお前､魔物の国の襲撃に参加してなかったな あの時の騒ぎに乗じてかっぱらってきたんだよ」
「先輩悪っすねぇ」
ガハハと大声で笑う先輩
「魔物が作ったにしては中々上手い酒だ
魔物が飲むには勿体ない程にな」
先輩は飲め飲めと俺に酒を勧める
「いやー俺は飲みたくないっすよ
魔物が作った酒なんて」
「ガハハハハ!!違いねぇ!!」
こんなでも､一応尊敬している先輩だ
信頼もしている
『御楽しみのところすいません』
突然､真横から声がした
綺麗な鈴の転がるような高い声
俺はバッと剣を握って振り返った
真っ赤な髪に真っ赤な目
腰にはあまり見たことの無い形状の剣
気味が悪い
全て見透かしたような笑顔
この状況の中笑っているなんて
異常だ
「·····なんだ ガキかよ」
酒を飲みながら先輩が呟いた
『作法には疎いので御容赦を』
笑顔で先輩に､見た目からは想像もつかない言葉を放つ少女
「先輩､こいつ人間っすかね」
先輩はさぁな､と言いながら剣を抜いた
「どちらにしろ ここを通る奴は殺せと言われてるんだ 悪いがな､嬢ちゃん お前に恨みはないが死んで貰うぞ」
少女はクスッと不敵に笑った
だが目は笑っていない
そして､そんな笑顔の状態で俺達に憎悪の視線を向けた
『私は貴方達に恨みしかないです』
またもやニコリと笑う少女
少女が目にも止まらぬ速さで剣を鞘から抜いた
「先輩!!こいつ···」
俺が警告した時には遅かった
首を撥ねられ血飛沫を上げ､俺の足元に崩れるように倒れる先輩
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千尾(プロフ) - 最初から読みたいんですけどどこに行けばいいでしょうか？ (2021年3月18日 3時) (
レス) id: 0b1187e4b4 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ありがとうございます！ものすごく励みになるコメントめちゃくちゃ嬉しいです！ (2020年2月8日 1時) (レス) id: bc72cc58ab (このIDを非表示/違反報告)
藍羽 - 頑張ってください！楽しく読ませてもらってます、応援してます。 (2020年2月5日 0時) (レス) id: 779fc880ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年1月26日 2時
