言えない気持ち ページ40
〜リムルside〜
俺はAとラーメンを食べに来た
やはり語り合うには同じ日本人だろうと思ったからだ
Aに､この前の件···つまり､幹部にならないかという事を考えておいてくれたかと問いかけた
Aはベニマル､ハクロウに次ぐ実力者
何としてでも幹部へと引き入れたい所だ
『私は···
···リムルの申し出を受けられない』
俺の目を真っ直ぐに見つめて決心したように告げる
正直に言うと､こうなる気はしていた
「···理由を､聞いてもいいか？」
賄いに､給料も申し分ない
こういう答えになった理由を聞きたかった
『人間の街を巡って···大勢の人と知り合った
酷な状況に目の当たりになった事もあったけど···その分楽しかった事も沢山あったんだ』
セシル達のことを頭に思い浮かべているのだろう
目を閉じて､少し微笑んでいる
『···私が今まで思っていた日常を完全にひっくり返された気分だったよ まだまだ見てない物が沢山ある···この世界の物をもっと見たい···
だから···私は自由な冒険者になりたいな､ってそんな理由じゃダメかな？』
あはは､と照れを隠すように笑うA
Aが冒険者になったら···会う機会はほとんど無くなるな
仲間が離れていくのは嫌だ
だけど､それを口にするとAは冒険者になるという事を諦めるだろう
Aは､そういう奴だ
「いいんじゃないか？···正直惜しいけど､俺がお前を引き止める理由はないな」
『···うん､ごめんね わざわざ誘ってくれたのに』
···考えた事もなかったな
ずっと近くにいる､当たり前の存在
それが当たり前ではなくなる
シオンが死んだ時､痛いほど感じていたというのに
あるはずのない心臓がキュッと締め付けられた気がした
「はい､お待たせしましたー！」
ゴブリナがお盆にラーメンと餃子を乗せて持ってきた
『わ､美味しそう！』
Aが目を輝かせて身を乗り出した
···全く､「親の心子知らず」だな
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千尾(プロフ) - 最初から読みたいんですけどどこに行けばいいでしょうか？ (2021年3月18日 3時) (
レス) id: 0b1187e4b4 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - ありがとうございます！ものすごく励みになるコメントめちゃくちゃ嬉しいです！ (2020年2月8日 1時) (レス) id: bc72cc58ab (このIDを非表示/違反報告)
藍羽 - 頑張ってください！楽しく読ませてもらってます、応援してます。 (2020年2月5日 0時) (レス) id: 779fc880ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2020年1月26日 2時
