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初対面は最悪? ページ2

「違うんです……。私、人に優しくされたの初めてで」

「……そうか」

「初対面の人に言うことなんかじゃないってわかってます……でもっ」

とどめなく溢れてこようとする涙を食いしばれば、ふわりと浮遊感を感じ、彼の顔が目の前にあったり
「アイツがいたら泣きにくいだろう。先生が来るまでしばらくあるから」
あ、私。
夏油さんにお姫様されているんだ。
「まっ、待ってください!」
「あのね、私こんなに泣いてる女の子放っておけるほど人間腐ってないからね」
とくん、とくんと心地よい鼓動の音と私よりも低いけど安心できる体温。
それに嗅いでいれば落ち着いてくるような香り。
夏油くんは窓から飛び降りれば寮の方向に歩き始めた。
寮の近くにあるベンチに私を座らせ、隣に彼も座る。

「悟から君のことは少し聞いていたんだ」

「そうなんですね」

「俺より実力ないのに刃向かって来るって。話聞いてた時は男だと思ってたんだけど君のことだったんだね」

「はい」

「私の家は呪術師の家系ではないからそういうのは分からないけれど……君の顔を見ていれば辛い思いをしていたのは分かる」

「私で良ければ話してくれないか」

「なんで初対面の私なんかにそんなことを言ってくれるんですか」

「なんでだろうね」

照れくさそうに笑う彼は大人びて見えていたのが嘘みたいに子供みたいに年相応に見えた。

「私も悟さまと同じ五条なんです」

「そうなんだ。てっきり五条は皆白髪だと思ってた……それに悟のこと様?」

「分家なので。そう呼ぶように躾られてたんです。無下限と六眼をもって産まれた方だから」

「そうか」

「私、悟さまと同い歳なのに発動できないからってやっかまれてたんです」

「ずっと人として扱って貰えなかった」

ああ、いけない。
また視界がぼやける。
声も震えてしまってる。

また、先程と同じ香りに包まれた。

「私は君のクラスメイトだ」

「知ってますけど」

「クラスメイトを助けるのはクラスメイトの特権だ」

「はぁ」

「だから、これからは安心して……私が守ってあげるから」

ギュッと彼の腕に抱きしめられた。

守ってくれる人→←私という人間



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作者名:リモコン | 作成日時:2021年1月14日 6時

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