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12月:2 ページ10

寒くて仕方がない日はあったかいものが欲しくなる。




シチューにしよう、ビーフチュー。




通り抜けてきた光のせいで、わたしも少し季節を意識してしまう。




まだクリスマスには少しあるけど、ひとりで勝手に特別感のあるメニューを選んでいる今、さっきまであんなに興味がなさそうにイルミネーションを潜り抜けていた自分を思い出しておかしくなってしまった。




ー…。




早めに部屋に来たから、慣れないわたしでもほとんどシチューを作り終えて一息ついていた。




ソファーに座ってテレビをつけると、ちょうど音楽番組が始まっていた。




キラキラの衣装を着ている画面の中のアイドルは、衣装に負けないくらいの笑顔で歌い踊っていた。




あれ?このグループ…


渉の事務所のひとたちだ。




何気なく見ていると、画面の隅で見覚えのある姿が見えた気がしてソファーに寄りかかっていた背中を起こした。




もっとこっち…




もどかしい気持ちで集中していると、最後に脇から急に数人が中央に走ってきてキラキラの衣装のアイドルに寄り添った。




渉だ…。




よく確認するとその隣は藤ヶ谷くんで、反対側にいるのがタカで…




今日遅くなるって言ってたのはこれだったのか。




元々、そこまで積極的に渉の仕事を確認しようとすることはなかった。


本屋さんに行けば載っていそうな雑誌を見るし、テレビをつけてたまたま出ていたら観る。




でも、事細かにスケジュールを確認してすべてを把握するようなことはしたことがなかった。




仕事をする渉に迷惑がかからないようにしてきたからか、なんとなくその部分に触れることすらしてはいけない気がして。




昔。


初めて渉が先輩グループのコンサートに出ることになった時も、渉の家族に誘われたけど行かなかった。


そのあとも何度か声をかけてもらったけど、わたしは一度も見に行ったことがなくて。




画面に映る渉は間違いなく渉だけど、画面越しにしか目にしたことがない彼とわたしの知っている渉をイコールで結びつけることがまだできないでいる。




いつの間にか番組は終わっていて、画面からはコマーシャルが次々と流れていた。




帰ってくるよね。




もて余しそうな時間が続くのを察して、コーヒーを淹れることにした。




ミルクたっぷりのコーヒーが飲みたい。




いつも渉が淹れてくれる、


ミルクたっぷりのコーヒー。




渉、早く帰ってきて…

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設定タグ:横尾渉 , 二階堂高嗣 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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まこ(プロフ) - 初めまして!一気に読みました。続きが気になります!またりかさんとの過去話もみたい気がします(*^o^*) (2016年2月17日 20時) (携帯から) (レス) id: c532cef3f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りく | 作成日時:2015年10月16日 22時

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