ショートケーキ:another story:N1 ページ5
お風呂からあがったAはもちろんすっぴんで、少し頬に赤みがさして一層年齢より幼く見える。
普段はもちろん、年上らしい雰囲気とそれなりに慣れているであろう化粧で年齢なりの女性として見えるけど、だからこそなのか…
化粧をしていないAはあどけなさが全面に出ていて、パッと見だけでは年上であることを忘れそうだった。
お風呂あがり、Aと入れ替わりにわったーがお風呂に行き、ガヤさんは熟睡していて気持ち良さそうな寝息聞こえる。
実質二人きりという状況は、自然と緊張感が高まってしまう。
緊張を紛らして話のきっかけを掴むために水をお願いした。
しばらく二人で話していると、会っていない間の時間はすぐに埋まっていくような気がした。
連絡はまめにしていたけど、やっぱり会いたいと思ったときに、会わなきゃだめだ。
立ったまま動かないAに座るよう話すと、少しキョロキョロしつつ俺の斜め前に座った。
まだ乾ききらない髪からはふわっとシャンプーの香りがして。
そのせいで自分の頬が緩んでいることに気づいて、なんとなくAのことが見れなかった。
でも、ひさしぶりにAを見ていると、まるで昨日のことのようにあの誕生日の海を思い出す。
実は、今日のことを考えているうちに、この前思い立ってあの海にひとりで行ってしまったんだ。
Aのことを考えていると、自然と足が向かっていた。
本当なら、Aのことを考えて、Aのところに行けばいいのに。
あの日からまだ俺は進む勇気が持てないでいて、あの日のAの面影にしか会いに行けなかった。
海に行った話をすると、案の定「そりゃ寒いよ…」って返された。
そう、冬はすぐそこだし。
隣には、お前がいなかったからね。
進めたい。
あの頃から。
「ねぇ、来年もさ、俺と行ってよ、あの海。」
「も、もちろん!」
速答してくれた割りに、その目はゆらゆらと定まらずに、すぐに後ろを向かれてしまう。
ねぇ、その迷った目は、何を意味するんだろう。
何に困っているんだろう。
少し静かになった空気を変えようとまたお水を頼もうとしたとき。
Aの髪がさらりと流れ、白いうなじが露になる。
そこには、
赤く染められた痕がくっきりとついていた。
白と赤のコントラストが鮮やかで、
残酷なくらいキレイだった。
ショートケーキ:another story:N2→←ショートケーキ:4
351人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まこ(プロフ) - 初めまして!一気に読みました。続きが気になります!またりかさんとの過去話もみたい気がします(*^o^*) (2016年2月17日 20時) (携帯から) (レス) id: c532cef3f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りく | 作成日時:2015年10月16日 22時