12月:5 ページ13
お会計を済ませて店の外に出ると、あんなに光っていたイルミネーションも少なくなっていて、いつも通りになったはずの通りも寂しく感じてしまう。
さっきまでイルミネーションの煌めいていた先をぼんやりと眺めていると、タカがなぜか改まって「ねぇ。」と声をかけてきた。
「ありがと、急に誘ったのに来てくれて。」
タカがにっこりしながらありがとうなんて言うから、なんだか困ってしまう。
「そんな、お礼言われるようなことじゃないじゃん。」
「いいの!お礼言いたくなったの!」
「…そっか。」
通りはすっかり車の通りも少なくなっていて、しんと静まり返っている。
渉、駅から来るのかな…
駅の方に目をやっていると、またタカに「ねぇ。」と肩を叩かれながら声をかけられた。
振り向いた時に見たタカは、さっきの恥ずかしがりながらシチューの話をしていたタカとは違っていた。
真っ直ぐにわたしを見ているタカは、どこか大人びて見えて。
タカが見せる大人の表情は、いつもわたしを落ち着かなくさせる。
タカの目を直視できずに視線をそらしてしまったけど、その自分の行動がタカをますます意識していると言っているような気がして焦ってしまう。
「あのさ…」
タカが躊躇いがちに話し始めた時。
少し離れたところから急に声が聞こえた。
「あれ〜〜?ニカ?」
ニカ…?
驚いてわたしとタカが振り替えるとそこには、タカを呼んだらしき男の子と、藤ヶ谷くんと、…渉の三人が並んでいた。
「えっ!?ミツ!?というか、わったーとガヤさんも!?」
驚いてそのまま固まってしまったタカにスタスタと近づいて、ミツ、と呼ばれた男の子はタカの肩をガシガシと掴んで笑っている。
「なんだよお前ー!仕事終わったらすぐに荷物まとめて走っていくからびっくりするじゃん!」
「いや、あの、その…」
驚いたままのタカはあれ?なんて言いながら状況が読めないで、現れた三人の顔をキョロキョロと見ている。
「ちょうど先輩と飯食ってたの、この近くだったんだよ。」
藤ヶ谷くんが、状況が把握できてないわたしたちを見て教えてくれた。
「そうなんだ、びっくりしたよ…」
藤ヶ谷くんに返事をすると、鍋の日以来だな、と笑いかけてくれた。
渉は特に何も言わずに、騒がしいタカとミツ…北山くんを眺めていた。
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まこ(プロフ) - 初めまして!一気に読みました。続きが気になります!またりかさんとの過去話もみたい気がします(*^o^*) (2016年2月17日 20時) (携帯から) (レス) id: c532cef3f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りく | 作成日時:2015年10月16日 22時