98話 ページ49
朝になっても先生は目覚めない。
顔は青白くて、息はしているのに
本当に目が覚めるのか心配になる。
私は一旦、先生のそばを離れ熊沢さんと一緒に郡司さんに朝食を届けに行った。
郡司さんは起きていて、体を痛そうにしていた。
『おはよう、郡司さん』
熊沢「すみません。食べづらいかもしれませんけど」
郡司「お前目の下のクマ酷いし顔青白いぞ、大丈夫か」
『すこぶる快調です』
郡司「すげぇ嘘つくな……まぁ、生徒まで手なずけるとは大したもんだ。どうして、柊に協力するんだ?」
そんなに顔酷いかな。たしかに手当ての跡は日に日に増えていってるけど。
熊沢さんは刑事さんを目の前にしても臆さず、郡司さんの質問に答えた。
熊沢「受け止めてくれるんで。私たちと向き合って、ぶつかりあって…受け止めてくれるんで。
失礼します」
熊沢さんに「先に行ってて」と伝えると、私の頭をそっと撫でてから
梯子を上に上がっていった。
A組ってお姉さんみたいな人多いよな。
『郡司さんも、犯罪は起こさないけど…先生みたいに生徒としっかり向き合ってくれる先生だったんでしょ?』
郡司「賛否はあったけどな…でも、俺は生徒を守れなかった」
『…でもさ、それを明日の活力に変えて…今頑張ってこのせわしない世の中を生きてる。
きっとさ、その生徒さんは救われてると思うよ』
郡司「そうだといいな……お前さん、この後どうすんだ」
『…一颯と同じこと聞くんだね。私は一颯のそばに居るよ』
郡司「そうか……、寝てないんだろ?上行って休んで来い」
『ははっ、郡司さん優しいね。ありがとう、そうする』
私は郡司さんに笑顔で手を振ってから準備室に戻った。
準備室には香帆が来ていて、ちょっとよろけた私を支えて
先生の横まで連れて行ってくれた。
宇佐美「ちょっと、A…寝てないでしょ」
茅野「私が寝てる間もずっと起きてたみたいで…起きるたびに寝かしつけようとはしたんだけど、私が寝ちゃって…」
『あ、あれ寝かしつけようとしてくれてたんだ。私は大丈夫、それより今は先生だよ』
先生はピクリとも動かない。
私は時々マイボイの画面を見ながら先生が目覚めるのを待っていた。
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時