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085話 -3月8日- ページ36

*No Side*

3月10日。

魁皇高校の屋上。

最後の授業を終えた柊一颯。

眼鏡をかけたまま口を開いた。


柊「これをもって、俺の授業は完結する」


そして、屋上の端に立つと

体を後ろに傾けた。

天を仰ぎ、太陽の光に目を細め

ただただ、重力に任せていた体が


" "


柊「っ!」


何者かの手によって柊が思っていた方向とは違う方へ向かう。

逆光で誰かは見えなかった。

ただ、か細いその腕に柊は屋上へ引き戻された。


力強く温かいその手は

柊の目の前から消えていた。



椅子の傾く衝撃で柊一颯は準備室で目を覚ました。

簡易ベッドでは少し汗をかき苦しそうな藤枝Aが眠っていた。

魘されているようにも見えるAの頭を

柊はそっと優しく撫でた。


『ん……一颯、おは』

柊「魘されていたのか」

『んー、ちょっとね。変な夢見ちゃってさ。てか、マイボイすごいね』


柊とAが覗くモニターにはマインドボイス。

そこは武智大和の話題で持ち切りだった。


強い割り箸フェイク動画の依頼だけじゃなくて殺人もかよ

瞼のモップまさか武智が殺人犯とは

大胆なニック生徒を死に追い込んであの笑顔……怖っ!

僕のありのままの姿武智の人生は、どう考えても終わりだろww

最大音量フルマックス武智サイコ確定!!!

凍ったハサミどんな環境で育ったら、あんな怪物になるんだ


『好き勝手言ってるね』

柊「先生たちも言いたい放題みたいだよ」


先生が別モニターでニュースを映す。

校長、坪井先生、佐久間先生、森崎ちゃん……

どこでも言いたい放題言われてるわけだ。


『そういえば、五十嵐さんと相楽さん大丈夫かな』

柊「どうだろう。限界が来たら…連絡が来ると思う」

『あたしは最後まで捕まらないけどね』

柊「何度も言うが、無理だけはするなよ?」

『心配性だな……先生も無理すんなよ!』


そう言って柊に後ろから抱き着くAに

柊は優しく答えた。


あと少しで授業は完結する。

先ほど自分が見た夢のことを考えながら、

あとどのくらい、Aといられるのだろうと柊は考えていた。


*No Side end*

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設定タグ:3年A組 , 菅田将暉 , 柊一颯   
作品ジャンル:タレント
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時

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