【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ5)

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054話ページ5

石倉「……でもかけたら爆発とかねぇよな？」

逢沢「先生のケータイなら有り得るかも」

そういった逢沢君にビビった石倉君がケータイを押し付ける。

ふぅ……逢沢ナイス。

熊沢「みんな！準備室があいたよ！」

教室に来た熊沢さんの一言で私とさくら以外の人は走って行ってしまった。

逢沢君もいるし…大丈夫なのかな。

茅野「完全に乗り遅れた」

『そうだね。じゃあ、今皆がいないうちに話しようか』

茅野「そうだ！Aが言おうとしてたことって何？」

『うん……先生が話してた“とある少女”の話あるでしょ。あれ、私のことなんだ』

茅野「えっ……じゃあ、Aのお姉さんって」

『そう、魁皇高校3年の時にね…フェイク動画をSNSに流されて誹謗中傷に遭った。謂れのない事実無根の話が広まって、両親も姉を信じなかった。

私はお姉ちゃんが大好きだったから、お姉ちゃんがそんなことするはずないって最後まで信じてた。
それに、そのフェイク動画になった日は、私お姉ちゃんと一緒にいたから。

でもね、お姉ちゃんは澪奈みたいに誹謗中傷に耐えきれなくなって自殺した。その後、精神を病んだお母さんが家に引きこもるようになったお父さんを殺して自殺.

私の家族は完全に壊れちゃったの』

私は今でもフツーの家庭にいて、今も心配してくれている人がいると思っていたであろうさくらは

両手で口元を覆いながら目を見開いていた。

『私は、その事件とすぐには向き合おうとしなかった。怖かったから。

でも、澪奈が同じ目に遭って自殺して……この事件は、なんとかしないと次々と犠牲者が出るって思った。
だから、私は一颯先生と同じで澪奈の死の真相を知りたい。そして、それと同時に私の家族を壊した犯人を見つけたいの』

茅野「A……ごめんね。今まで言いたくても言えなかったよね」

さくらは先生に膝枕をしている私のことを横から抱きしめた。

頭を両手で温かく優しく包んだ。

私は自然と涙が零れてきて、先生の顔に私の涙が垂れる。

『ありがとう。さくら……まだ言えないことも多いけど、さくらには知ってほしい』

茅野「うん！話せるようになってからでいいから教えて！なんでも受け止めるから！」

『ふふっ、なんでさくらまで泣いてんの！』

私とさくらが泣きながら笑い合っていると……

諏訪「一人になれる場所もねぇのかよ」

諏訪さんが後ろの扉から入ってきた。