キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【after story】

番外編〜藤ヶ谷さんの恋〜 ページ21

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藤「ここ？」



松「はい…」












二人でタクシー乗って、着いたのはさきちゃんが住むアパート。



一応周り見渡してみるけど、とくに怪しいやつはいない。












松「すいません、こんなことまでしていただいて…」



藤「気にしないで。なんかあったら心配だし」



松「…ありがとうございます」












一応玄関前まで見送って、彼女が玄関に入る前にもう一度見渡した。













藤「今の所はとくに何も無いみたいだね」



松「はい。すいません、ありがとうございます」



藤「ん、じゃあまたね」



松「はい…また」












小さく頭を下げる彼女を見て、ドアノブに手を掛ける。












藤「…あ、そうだ」



松「え？」



藤「携帯、貸して？」



松「え？…あ、はい」












受け取った彼女の携帯に手早く自分の番号を打ち込む。



自分の携帯の画面に着信を確認して彼女の手に返した。












藤「なんかあったらいつでも連絡して」



松「…え、…あ、」



藤「じゃあね。ちゃんと鍵締めなきゃだめだよ」



松「…あ、はいっ…ありがとうございます…」












ひらひらと手を振って玄関を出た。



エントランスでもう一度周り見渡して、タクシーを拾うために大通りへ出る。



乗り込んだタクシーの窓に映る景色をぼーっと見つめながら、考えるのはさっきのさきちゃんの不安気な表情。



俺に何が出来るだろう。



ストーカーってどうやったら撃退できるんだ？



警察に言えばなにか対応してくれるのか？



いや、下手に行動したらさきちゃんが危険だ。



どうしたら……













いろいろ考えてたらタクシーが停車して。



自宅マンションのエントランスで降車して、玄関の前で鍵を開けようとバッグから取り出した。













ーprrrr…prrrr…













鳴り響いた携帯の画面には知らない番号。













藤「もしもし」



松『……藤ヶ谷さん…、』



藤「さきちゃん？どうかし『玄関に…』



藤「え？玄関？」



松『…いるんです、玄関に…』



藤「まさかストーカー？」













はい、って小さな声で返事した彼女。



その声は震えていた。







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