はるとたく。2 (( 彼女の悪いところは何一つ悪くない編 )) (ページ22)

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（浮気だとしても）ページ22

西岡 side

先週の日曜日、卓が週刊誌に抜かれた。

卓のプロ野球人生の中で二回目、

前回は3年前、日ハムの球団職員さんと。

噂の彩って女。
本人も話している通り、Aにも説明した通り、まったくのデマやった。

しかし、今回は卓が女と一緒にホテルに入るところから、

朝方別々に出てくるところまで、ばっちり撮られていた。

日曜のデーゲームが終わって、ホテルに帰ったあと、

おそらくみんなその記事を目にして、

Aを気づかった。

正直、

あそこまでちやほやされている選手がなにか間違いを犯してもおかしくはない。

しかしまあ、みんな

自分のことは棚に上げて卓への怒りが収まらない。

Aがほんとはすごく傷つきやすくて繊細で、

だけど周りに気を使わせないようにふるまう人だっていうのはみんなわかっているからこそ、

Aがまた、一人で泣いているんじゃないかと思うと気が気じゃなかった。

案の定、

夕食で顔を合わせたとき、なんともない顔でふるまうAがいて、

分かっていたけど、やっぱり、まだ俺たちには頼ってくれへんのやと思った。

でも、Aがそうして欲しいのなら、

みんはいつも通り、Aに接し、

Aと夕食を共にした。

この後、一人部屋に帰って、声を抑えて泣くのだと、分かっていながらも。

どうして、こうも、この子は傷つかなあかんのやろうか、と

Aは笑顔なのに、胸が苦しくなった。