君に溺れた恋物語〜K.Otomo〜

#8 ページ8

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夏芽「やめ………離してっ！」







蓮目、という男が夏芽に襲いかかる。









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「夏芽を離してっ！」





蓮目を後ろから蹴る。









蓮目「痛ってえな、このクソガキが！」









夏芽「Aっ」







パァンッ

痛々しいほどに、頬を殴られた音が響いた。









「った、」







夏芽「蓮目さん、なんでこんなこと……」






蓮目「夏芽ちゃんが好きだからだよ。」








気持ちの悪い笑みを浮かべる。









夏芽の浴衣に手を掛けようとした蓮目の手を止めようと慌てて駆け寄る。















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蓮目「あーもう、懲りねえ奴だな。」








と、ポケットからナイフを取り出した。









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「いやっ……やめて！」







浴衣の後ろを切られ、背中が露わになる。

夏の蒸し暑い空気が直接肌に触れた。









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蓮目「やっぱりな。」







耳元に近づく荒い息。









蓮目「お前、元天才子役の『高本A』だろ？」





小声で私に問いかける。









「っ、」






蓮目「良いんだぜ、この背中の大きな傷に沿ってもう一回切ってやっても。」






浴衣を切ったナイフを私の前で揺らす。








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「………やめて。」








蓮目「じゃあ分かってるよな？
余計な邪魔、すんなよ。」









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夏芽「私、大丈夫だから。早く逃げて！」







大丈夫なわけがない。









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コウくんたちを探しに行こう。







脱げそうな浴衣や、少し腫れて真っ赤になった頬なんか気にもせず、私は走り出した。

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