君に溺れた恋物語〜K.Otomo〜

#12 ページ12

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幸い親は

［大変だったね。］とだけ言って、




それ以上は何も聞かないでいてくれた。









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部屋に入って腫れた頬に湿布を貼ると、顔の約半分が湿布で覆われてしまった。









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今日はもうそろそろ寝ようか…と思ったとき

コンコン、と窓がノックされる音。








カーテンを開けると、







「……かーくん。」









お互い部屋を行き来できるほど近い距離。






ガラガラ、と窓を開けると、当たり前のようにかーくんが入って来た。









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私の顔に一瞬目を見開いて、






『……なんで先に帰っちょるん。』




「ごめん。」




『謝るなら望月やろ。』




「ごめん。」









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静かな部屋に、かーくんのため息だけが響く。









『望月、あんななってまでAの心配しとった。』






なんで、かーくんはそんなに夏芽を気にかけるの？





………怖い。

いつも笑顔のかーくんが、怒ってる。









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「ごめん、なさい。」







泣いちゃだめ。

涙を堪えて、喉の奥から必死に声を出す。

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