死神様のお仕事 6【刀剣乱舞】 (ページ18)

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漣「あのじじい、俺が目を離した隙に役人殴って結界から出ていきやがったんだ」

Aの横に立っていた漣が不機嫌そうに話す。

漣「あまりに静かに消えたから、誰も気づかなくてさ」

『自分よりはるかに年下の者をじじいと呼ぶのはどうかと思う』←

漣「つっこむとこそこなの？！」

Aたちのもとへ漣らが駆けつけたのは少し前のこと。

三日月がいないことに気づき、部屋の隅で昏倒(こんとう)していた役人を今剣が見つけたことで広間が大騒ぎとなった。

不安が最高潮に達していた彼らは、結界がないことを知ると部屋を飛び出ていった。さすがの漣もAが気がかりだったので彼らについていったのだった。

漣「そんでユーのところへ行く途中に、愛染とにっかりを見つけたんだ」

『！！今、彼らは…？』

漣「部屋に寝かせてるよ。……心配なら行ってきな」

Aは小さく頷くと、身を翻(ひるがえ)し走っていった。

『…入っても良いか…？』

薬研「Aか、いいぞ」

返事をすると静かに妻戸が開いて、Aが入ってきた。

彼女は三つ並んだ茵(しとね)の傍にしゃがみこむ。

『三人とも、無事か…？』

薬研「ああ。傷はないし、蠱毒(こどく)だって浄化されつつある。すぐ目が覚めるさ。……本当だ」

最後に付け加えたのは、Aがあまりにも不安げに彼らを見つめていたからだった。

薬「(だいぶと弱ってるな…そりゃそうか…)」

ひのとと何があったのか、ある程度は三日月から聞いていた。

薬研はAの隣に腰をおろすと、そっと背をさする。

そして何気なく首を見て、息を呑んだ。

薬「A、その痣(あざ)どうしたんだ」

『これか？ひのとに少し絞められてな』

薬「なっ…」

その細い首にできた手の跡は、明らかに“少し”絞められてできたものではなかった。

薬研は顔を歪めると、湿布を出そうと救急箱をあさる。が。

薬「ない……少し待っててくれ」

『私は平気だ。痛くない』

薬研は両手でAの顔を包んで、ぐいと自分に向けさせた。驚いたのか、肩が小さく跳ねる。

薬「そんな痣、相当絞められでもしないとできねぇんだ。

痛いときは、素直に痛いって言え。な？」

はっと目を見開いたAの頭をひと撫でして、薬研は部屋をあとにした。

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