仕事_18 ページ1
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三日月「…ようやっと着いたか」
『ああ…懐かしいな』
一期「入りましょう…A殿、くれぐれも離れないで下さいね」
本丸管理局の政府機関に足を踏み入れると、空気がガラリと変わった。
突然現れたA達に、その場の警備員がいっきに警戒体制をとる。
「何用だ。この先は許可のある人間にしか立ち入りできない」
警備の一人が近づいてきて言った。
Aは無言のままあの手紙を見せる。
その筆跡を確かめるように読んだ後、三日月達を一睨みして奥の廊下へ歩いていった。
『ついていけば良いのか』
三「そのようだ」
階を上がり、A達は待合室のような広間に連れてこられた。
警備員はここで待つようにと言い残し、そのまま戻っていってしまった。
三「……誰もおらんな」
一「そうですね…」
『なぁなぁ、一期』
Aはやや小声で一期の袖を引っ張る。
そして部屋の中央を指差した。
そこには高級そうな大きいソファーが2つ、小さなテーブルを挟んで向かい合うように置かれていた。
きっとそこで話し合うのだろう。
『あの大きい椅子……』
一「ええ、あれがどうかなさいましたか」
『あ、いや、その……ふ、ふかふかそうだなと思って…』
そのキラキラとした瞳を泳がしながら言うAに、一期は苦笑する。
座ってみたいのだろう。本丸は基本座敷で、あのような家具は置いていないから。
一期は普段弟を諭すように優しくAに言う。
一「今は我慢して下され。座るのは相手が来てからですよ」
『あ、ああ、それもそうだな……
……? 三日月?』
ふと三日月の様子を見ると、彼はある場所を見たまま固まっていた。
驚きのあまり刀を抜こうとしたのか、柄に手をかけた状況で止まっている。
その視線を追うと。
一「?!」
『…………』
?「……………」
腕を組んで壁に寄りかかり、じっとこちらを見ている男がいた。
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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時