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「やぁ、今日も居たね………はは、すごい顔だ」
翌日、いつも通り友人と早めに別れたあとあの空き地へと足を運び荷物をおろしたあと走り込みをしているとあの男の人がにこやかにやってきた。
手には紙袋をたずさえ口元に大きなマスクをつけて。
「昨日聞けなかったが君はここで何をしているんだ？」
『……しらないひと、に…おしえちゃだめって、おかあさんいってた』
ふいっと顔を逸らして止めていた足を再び動かそうとすればいつの間に至近距離まで詰められていたようで肩を掴まれる、思わず振り払おうと振り返れば顔の目の前に顔があって肩が跳ねた。
「そうだったそうだった、まだ自己紹介をしてなかったな。僕は死柄木、まぁ先生とでも呼んでくれ。よろしくね胡蝶」
『……せんせ？おじさん、せんせなの？』
「僕はまだおじさんじゃ……いや、このくらいの子からしたら確かにおじさんだな」
おじさん呼びによほどショックを受けたのかなんなのか、ブツブツと独り言を呟いたあと我に返ったのか僕へと視線を戻した。
……この人の目は好きじゃない、まるで人を品定めするような目つきだ。
いや、これは人と言うより…能力、個性か？
「ほら、お互いに名前を知っている。知らない人じゃないだろう？」
得意げな様子でそう言われればそうじゃないだろうと言いたくなるが、今の僕は5歳だ。
5歳児がそこまで警戒心丸出しで人に接するだろうか？少なくともこのヒーローだらけの平和な世界ではまずありえない。
『…こせい、つかうれんしゅ……あと、からだきたえる』
「体を？どうして？」
『かたな、つかいたいから』
「刀？」
個性の方を掘り下げて聞かれるかと思ったがそっちに興味を持ったのか、少し予想外だ。
理由は適当に水○黄門見てかっこよかったからってことにしておいた、前世で使い慣れてるんで今世でも護身用に会得したいですなんて口が裂けても言えないし。
「時代劇かぁ、渋いね？」
『おかあさん、はいゆーさんがすき』
「あぁ、なるほど」
肩から手が離れ質問も止まった為走り込みを再開する、5歳の体に無理のない速度で少しだけ無理をした量をこなす。
明日は走り込みはお休みにしてひらがなドリルと数字ドリルをやって……明後日が……。
頭の中で予定を組みたてながら走っていたが視界端にチラチラと速度を合わせて駆け足をしている先生がうつるので気が散る。
『せんせー』
「なんだい？」
『じゃま』
「なにもしてないのに…？」
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作者名：刹那立夏 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2022年11月28日 21時
